増え続ける認知症患者への対策として、国は地域連携による体制づくりを推進しています。さいたま市の認知症診療の中核病院センター長として、地域の連携強化に力を入れる丸木雄一先生に話を聞きました。
国内の認知症の現状と治療法
国内の認知症患者は462万人にのぼることがわかり、その予備軍も約400万人いることが報告されています。認知症は年齢が上がるに伴い発症する率が高くなり、65歳では50人に1人程度ですが、85歳以上になると3人に1人に。今後高齢者が増えるなかで、この数はますます増加するものと思われます。
認知症の治療法は、昔はほとんどありませんでした。しかし、1999年にアルツハイマー病の治療薬として「アリセプト」が発売されると国内での治療の扉が開かれ、さらに2011年にはそのほか3種類の薬が使用できるようになりました。また、散歩やデイサービスへの参加など、外に出て活動的に過ごすといった非薬物療法を取り入れることも症状の改善に有効であることがわかってきました。
地域の連携が進む認知症対策
認知症は、もの忘れなどがあるといった症状名のことで、その原因には症状をもたらす病気があります。それはアルツハイマー病、脳卒中、レビー小体型などで、受診して病名を診断した上で初めて治療に進みます。治療は始めるのが早ければ早いほど効果が上がり、症状の進行を遅らせることができるので、早期診断・治療がとても重要です。
急増する認知症患者の対策として、厚生労働省は2015年に「新オレンジプラン」を発表し、「認知症初期集中支援チーム」の設置など様々な施策を掲げました。例えばさいたま市でも、専門医のほか、かかりつけ医、作業療法士、ケアマネージャー、地域包括センターなどと連携を取り、地域全体で認知症を見守っていこうというネットワーク作りが現在盛んに進められています。
もし、家族が認知症ではないかと疑われたら、できるだけ早く医療機関を受診することをおすすめします。早期に症状に合った薬を飲み、同時に非薬物療法も行えば、病状の進行は抑えられ、施設などへ入所するにしても何年か先延ばしにすることができます。住み慣れた環境で質の高い生活を続けていくために、地域の色々なサポートを上手に利用しながら、前向きに治療に取り組んでいきましょう。
▲さいたま市より、認知症疾患医療センターの事業を委託されている、社会福祉法人シナプス埼玉精神神経センター
お話をお伺いした先生
社会福祉法人シナプス 埼玉精神神経センター
さいたま市認知症疾患医療センター
理事長兼センター長
丸木 雄一 先生
1954年生まれ。日本医科大学・埼玉医科大学神経内科学大学院卒業。埼玉医大客員教授。さいたま市与野医師会副会長。埼玉県医師会地域包括ケア推進委員会副委員長。
社会福祉法人シナプス埼玉精神神経センター
埼玉県さいたま市中央区本町東6-11-1
TEL:048-857-6811
アルファクラブ武蔵野株式会社
葬祭部 さがみ典礼 本部長
大学卒業後、アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部さがみ典礼に就職してから約20年を葬儀場の現場でお客様の悲しみに寄り添ってきました。
現在は、さがみ典礼の責任者として、現場スタッフとともに残されたご家族のみなさまがより安心して葬儀を進めていただけるお手伝いできることを心掛けています。
2004年3月 東邦大学理学部卒業
2004年4月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 入社
2018年5月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 係長
2020年1月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 支社長
2021年5月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 副本部長
2022年5月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 本部長
2023年9月 (有)中央福祉葬祭 取締役(アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 本部長兼務)