三回忌法要の基礎知識

三回忌とは

三回忌とは

三回忌とは年忌法要のひとつです。年忌法要の意味を理解するためには、仏教の輪廻転生について知る必要があります。輪廻転生とは、人間も含めて命あるものは、永遠に生と死を繰り返す存在であるという考え方です。次の生がどのようなものになるのかは重大な関心事といえるでしょう。

この考え方に、亡くなった後に十人の王の審判を受けるという、中国の信仰が加わりました。それによって、王によって下された審判の結果来世が決まるという解釈が加わります。より良い裁きになることを願って遺族が故人を供養するのが、初七日から三回忌までの10回の法要です。

亡くなってから7日ごとに、生前の行いについて裁きを受け、四十九日までの7回の裁きで、来世が決まることとされています。その後の百箇日、一周忌、三回忌は、追加で供養を執り行えるチャンスです。

3回の追加の裁きを受けることにより、より良い来世に送り出せる可能性があります。三回忌は、そのラストチャンスとなる大切な法要です。

三回忌の数え方

三回忌の数え方

同じ年忌法要である一周忌は、亡くなってから1年後の日のことをいいます。三回忌は、亡くなってから2年後の日に当たりますので間違わないようにしましょう。

なぜ、2年後なのに三回忌かというと、亡くなった日を1回目の忌日と数えるため、1年後が2回目の祥月命日となり、2年後が3回目であると認識されるからです。以下に例を示します。

亡くなった日一周忌三回忌
最初の忌日2回目3回目
2021年8月1日2022年8月1日2023年8月1日

なお、年忌法要は、故人の祥月命日(その年における命日)に執り行うのが基本です。上の例では、毎年8月1日が祥月命日です。ただし、平日では都合のつかない遺族や親族の都合を考えて、命日よりも前の休日に調整することも多くあります。

三回忌法要の施主と招待する範囲を決める

三回忌法要の施主と招待する範囲を決める

三回忌法要を執り行うにあたって、施主及び、招待する範囲を決めなければなりません。施主は、葬儀において喪主を務めた方がなることが一般的です。ただし、葬儀と三回忌の間に、喪主を務めた方が亡くなっている場合などは、他の遺族が施主となります。遺族の間で話し合いをして決めましょう。

三回忌法要に招待する範囲は、親族と、故人と親しかった人といったところです。具体的には、家族、故人の親、子、孫、兄弟姉妹、及びそれぞれの配偶者、親しかった友人に声をかけます。

ただし、近年では、核家族化の進展などを背景にして、家族のみで法要を執り行うケースもあります。その際には、あらかじめ親族や友人に対して、説明して理解してもらうよう配慮をしたほうがよいでしょう。

三回忌法要の流れ

三回忌法要の流れ

三回忌法要の一般的な流れは次の通りです。厳密に決まった形式があるわけではないので、宗派、地域、遺族の考え方によって、柔軟に調整していきましょう。会場は、自宅、お寺、斎場などです。

  1. 僧侶入場:自宅で法要を執り行う場合には、仏前に僧侶が座る場所を作っておきます。
  2. 施主による挨拶:法要の開始を告げる挨拶を、以下のように簡潔にします。
    「本日はお忙しいところ、お集まりいただき誠にありがとうございます。これより、◯◯◯◯の三回忌法要を執り行いたいと思います」
  3. 読経:僧侶が読経します。宗派によって異なりますが、15分程度であることが一般的です。
  4. 焼香:読経の間に、遺族、参列者が焼香をします。前方に着席している人から順番に焼香します。
  5. 法話:僧侶による法話を聞きます。法話とは、仏教の教えに基づいた分かりやすい話です。故人をよく知っていた僧侶は、思い出話を交えることもあります。
  6. 6. 僧侶退場:僧侶が退場します。
  7. 施主による挨拶:法要終了の挨拶をします。法要に対するお礼と、この後の会食の案内を、以下のように伝えます。
    「本日はお忙しいところ、お集まりいただきありがとうございました。以上をもちまして、父の三回忌法要を終了いたします。皆様にお越しいただき、故人も喜んでいることと思います。この後、ささやかながらお食事の席をご用意しております。ぜひ父の思い出話をお聞かせください。」
    会食の席を設けない場合には、その理由について述べ、返礼品についての案内も添えて、以下のように伝えます。
    「本日はお忙しいところ、お集まりいただきありがとうございました。以上をもちまして、父の三回忌法要を終了いたします。本来であれば、会食の席をご用意し、皆様から父の思い出話をお聞きしたいところですが、遠方からお越しになった方もいらっしゃるため、これにてお開きとさせていただきます。なお、ささやかなお品をご用意しておりますので、どうぞお持ち帰りください。本日は誠にありがとうございました」
  8. 8. 会食:法要が終わった後には、「お斎(おとき)」と呼ばれる会食の席を設けて、参列者をおもてなしするのが一般的です。自宅やお寺であれば別室に移動して仕出し弁当を振る舞ったり、斎場であればレストランを利用したりします。

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