葬儀やお葬式で「受付をお願いできますか？」と言われたとき、突然の依頼に戸惑った経験はありませんか？
葬儀の場は誰にとっても特別で厳粛なもの。
参列するだけでも緊張するのに、その中で受付係として立つとなれば、不安やプレッシャーを感じるのも当然です。
受付係は、故人の代わりに弔問客を迎え入れる重要な役割を果たします。
この役割をきちんと遂行するためには、基本的なマナーや言葉遣い、そして具体的な受付の流れを理解しておくことが欠かせません。
本記事では、「通夜」や「告別式」で受付を担当する際に必要な準備から、気をつけるべきマナーや挨拶の言葉、そして具体的な対応方法までを詳しく解説します。
葬儀・告別式・通夜の受付とは？
葬儀や通夜、告別式の受付係とは、弔問客を迎え入れる大切な役割を担う人のことです。
受付は参列者にとって最初に接する場所であり、葬儀全体の印象を左右する重要なポイントでもあります。
このため、受付係には落ち着いた対応や正しいマナーが求められます。
受付係の役割
受付係は、葬儀の進行をスムーズに行うための様々な役割を果たします。
具体的には、参列者からの香典の受け取り、芳名帳への記帳のお願い、そして会葬礼品の配布などがあります。
また、弔問客への挨拶や案内も重要な仕事です。これらの役割を円滑に遂行するためには、事前の準備と対応力が必要です。
誰が受付を担当するのか？
受付係は、通常、喪主やご遺族の信頼できる知人や親戚が担当します。
家族葬など小規模な葬儀の場合、故人の孫やその配偶者、いとこ、または友人や知人が依頼されることが一般的です。
規模の大きな一般葬では、会社関係者や近隣住民などが受付を担当することもあります。
直系の親族が受付を担当することは少なく、故人に近い親族は参列者として故人を見送ることが優先されるためです。
複数人での対応
受付の業務は一人で対応することは稀で、通常は2〜3人が協力して行います。
大規模な葬儀の場合、受付場所が複数に分かれることもあり、その際にはさらに多くの人手が必要となります。
受付係がスムーズに業務を遂行できるよう、明確な役割分担と事前の打ち合わせが重要です。
葬儀の受付係の事前準備と役割・流れ
事前準備
葬儀の受付係としての役割をスムーズに果たすためには、事前の準備が非常に重要です。
まず、式の流れやスケジュールを把握し、会場の配置や動線を確認しておきましょう。
これにより、参列者を適切に案内し、混乱を避けることができます。受付台に必要な物品（芳名帳、筆記具、香典袋の管理用バッグなど）をチェックし、不足がないように準備しましょう。
特に、筆記具は複数用意し、使いやすいものを選ぶことが大切です。
また、喪主や葬儀社と事前に打ち合わせを行い、受付の流れや対応すべき事項を確認しておくことも欠かせません。
例えば、「香典辞退」の場合や特定の参列者への対応方法など、喪主の意向を反映した対応をするためです。
これらの事前確認を行うことで、当日スムーズに受付を進められるようになります。
受付当日の流れ
受付係は、葬儀や通夜が始まる少なくとも1時間前には会場に到着し、準備を整えておくことが理想です。
受付開始のタイミングで、参列者が到着し始めるため、早めの対応が求められます。
挨拶と香典の受け取り：参列者が到着したら、丁寧に挨拶し、お悔やみの言葉を受け取ります。
その際、「本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます」などの感謝の言葉を添えましょう。
香典を受け取るときは、「お預かりいたします」と言い、両手で受け取り、感謝の気持ちを込めて一礼します。
記帳のお願い：
次に、参列者に芳名帳への記帳をお願いしましょう。
「恐れ入りますが、こちらにお名前とご住所をご記入ください」と丁寧に案内します。
記帳が完了したら、返礼品がある場合は「こちらをお受け取りください」と言いながら、両手でお渡しします。
案内と対応：
参列者が会場内をスムーズに移動できるよう、控室やトイレの場所などを案内します。
特に初めて訪れる会場の場合、適切な案内が求められますので、会場の配置を事前に確認しておきましょう。
受付後の対応
受付が終了したら、受け取った香典や記帳された芳名帳を、会計係に渡して管理を徹底します。
香典は金銭を含むため、紛失や盗難を防ぐための対策をしっかりと講じる必要があります。
通常、会計係は受付の後方で待機していることが多いため、安全に引き渡しましょう。
受付の役割は、単に参列者を迎え入れるだけでなく、葬儀全体の進行を円滑にし、遺族や参列者が安心して故人を偲ぶ場を提供することです。
事前の準備と当日の丁寧な対応が、葬儀を成功させる鍵となります。
受付係が知っておくべきマナーと注意点
葬儀の受付係は、参列者と最初に接する重要な役割を果たします。
喪主やご遺族を代表して対応するため、その振る舞いやマナーが葬儀全体の印象に大きく影響します。
ここでは、受付係が知っておくべき基本的なマナーと注意点について解説します。
丁寧な対応を心がける
受付係は、弔問客に対して礼儀正しく、丁寧な態度で対応することが求められます。
香典や会葬礼品の受け渡しの際は、必ず両手で行い、相手の目を見て感謝の意を示しましょう。
「お忙しい中、お越しいただきありがとうございます」といった一言の挨拶も大切です。
天気が悪い日であれば「お足元の悪い中お越しいただきまして、誠にありがとうございます」と伝えましょう。
忙しさからつい流れ作業になりがちですが、どの弔問客にも丁寧に対応することで、故人への敬意を示すことができます。
服装と身だしなみ
受付係は葬儀の「顔」となるため、服装は清潔で厳粛なものを選びましょう。
男性はブラックスーツに白い無地のワイシャツ、黒のネクタイと黒い革靴が基本です。
女性は黒のワンピースやアンサンブルに、光沢のない黒のパンプス、黒のストッキングが適しています。
アクセサリーは控えめにし、派手なネイルやメイクは避けるようにしましょう。
また、髪型も整えておくことで、清潔感を保つことができます。
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携帯電話の管理
葬儀の場で携帯電話の音が鳴ることは非常に失礼にあたります。
受付に立つ際は、携帯電話の電源を切るか、マナーモードに設定しておきましょう。
また、受付中に携帯電話を使用するのは避け、急用の場合は人目につかない場所で対応するように心がけます。
参列者から写真撮影を依頼された場合は、喪主や葬儀社の許可を得てから対応するようにしましょう。
弔問客への適切な案内
受付係として、弔問客に対する案内も重要な役割の一つです。
葬儀場のトイレや控室、駐車場の場所について尋ねられることがあるため、事前に会場内の配置を把握しておきましょう。
適切な案内を行うことで、参列者が安心して葬儀に参加できるようサポートすることができます。
言葉遣いと表現の選び方
弔問客と接する際は、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
記帳をお願いする際は、「恐れ入りますが、こちらにお名前とご住所をご記入いただけますでしょうか」と丁寧に促します。
また、お礼を述べる際は、「本日はお越しいただき、誠にありがとうございます」と感謝の気持ちを込めて挨拶します。
葬儀という場の特性を考慮し、慎重に言葉を選ぶことが大切です。
葬儀の受付係は、弔問客にとって最初に接する場であり、故人への敬意を示す大切な役割を担っています。
丁寧な対応と正しいマナーを心がけることで、喪主やご遺族の信頼に応えることができ、葬儀全体の円滑な進行にも寄与することができます。
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アルファクラブ武蔵野株式会社
葬祭部 さがみ典礼 執行役員
大学卒業後、アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部さがみ典礼に就職してから約20年を葬儀場の現場でお客様の悲しみに寄り添ってきました。
現在は、さがみ典礼の責任者として、現場スタッフとともに残されたご家族のみなさまがより安心して葬儀を進めていただけるお手伝いできることを心掛けています。
2004年3月 東邦大学理学部卒業
2004年4月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 入社
2020年1月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 川口支社 支社長
2021年5月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 副本部長
2022年5月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 本部長
2023年9月 (有)中央福祉葬祭 取締役（アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 本部長兼務）
2024年5月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 執行役員
