枕経(まくらきょう・まくらぎょう)という言葉をご存知ですか?多くの人にとって、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、これは仏式の葬儀で重要な儀式の1つです。
枕経とは、故人が亡くなった直後に行われる読経で、故人の魂が安らかに浄土へ旅立つための道しるべとなります。
突然の出来事で動揺する中、「何を着て行けばよいのか」と服装に悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、枕経にふさわしい服装マナーを遺族・親族・参列者の立場別に分けてわかりやすく解説していきます。
枕経(まくらきょう・まくらぎょう)とは、仏式の葬儀で故人が亡くなった直後に行われる読経のことです。この儀式は、故人の魂が安らかに浄土へ旅立つための道しるべとなるもので、故人の枕元で僧侶が読経を行います。
亡くなってすぐに行われるため、遺族や近親者が故人の家に集まり、僧侶を迎えて読経を行います。特に自宅で亡くなることが一般的だった時代には、臨終時や危篤時に僧侶を呼んで枕経を行うことが一般的でした。
しかし、現代では病院で息を引き取ることが多くなっているため、病院から自宅や安置所に故人を移した後に枕経を行うことが一般的です。
枕経は仏教の儀式であり、宗派によって呼び名や形式が異なる場合があります。例えば、浄土宗や浄土真宗では「枕のお勤め」とも呼ばれ、生前仏様と出会えたことへの感謝や、臨終後に極楽浄土で生まれ変わることへの感謝の意味が込められています。
また、枕経は仏教の儀式であるため、神式やキリスト教の葬儀では行われません。宗派によっては枕経を行わず、代わりに「無常経(むじょうきょう)」や「臨終勤行(りんじゅうごんぎょう)」などの呼び名で読経が行われることもあります。
枕経での服装マナーを、遺族側、親族・参列者側に分けて解説します。服装に悩んだら、ぜひ参考にしてください。
枕経は、故人が亡くなった直後に行われるため、喪服の準備が間に合わないことも珍しくありません。そのため、遺族であっても「略喪服」や「地味な平服」で対応するのが一般的です。
略喪服とは、黒や濃紺、グレーなど、控えめな色合いの服装を指します。
男性の場合は、黒や濃紺のスーツに、黒やダークカラーの光沢のない靴を合わせるのが望ましいです。ネクタイやジャケットがなくても、全体的に落ち着いた印象であれば問題ありません。
女性の場合は、黒やグレーのワンピース、あるいはブラウスとスカートの組み合わせが適切です。アクセサリーやネイル、派手なメイクは控え、ナチュラルにまとめましょう。
遺族以外にも、親族や親しい友人が枕経に立ち会うことがあります。通夜や告別式とは異なり、突然の連絡を受けて急いで駆けつけるケースが多いため、喪服を用意していなくても「地味な平服」で問題ありません。
例えば、黒やグレーのシャツ・ブラウスに暗色のパンツやスカートを合わせるなどの装いが適しています。ただし、Tシャツやジーンズ、派手な柄物、露出の多い服装は避けましょう。
服装選びに迷った時は、「落ち着いた色」「清潔感」「シンプルさ」を意識すると安心です。
また、服装だけでなく、数珠などの持ち物にも配慮しましょう。数珠は、法要や葬儀と同様に重要な持ち物なので、バッグに常に入れておくと安心です。
枕経に子供が立ち会う場合、基本的には制服の着用が望ましいとされています。小・中・高校生で制服がある場合は、あえて私服に着替えさせる必要はありません。制服自体が「礼装」として認められているためです。
制服がない年齢の子供の場合は、白いシャツや、黒・紺・グレーなど落ち着いた色合いの服を選ぶとよいでしょう。華美なデザインやキャラクターのプリントが入った服装は避け、シンプルで清潔感のある装いを心がけることが大切です。
また、幼い子供の場合は、動きやすさや暑さ・寒さへの配慮も忘れずに、快適に過ごせるよう工夫してあげましょう。
枕経は故人が亡くなった直後に行われる大切な儀式です。枕経を依頼する際の窓口や、当日に向けて事前に準備しておくべきことを具体的に解説します。
枕経を依頼する際は、まず菩提寺の僧侶に連絡を取りましょう。菩提寺がない場合や、都合がつかない場合は、葬儀社に相談するのが一般的です。葬儀社は、信頼できる僧侶を紹介してくれることが多いため、安心して依頼できます。
また、故人が亡くなった時間帯によっては、僧侶への連絡に気を配る必要があります。深夜帯に連絡する場合は、菩提寺の家族に迷惑をかけないよう、葬儀社と相談して連絡する時間を決めましょう。可能な限り、故人が危篤状態の際、事前に連絡を入れ、都合の良い時間帯を確認することが望ましいです。
まず、枕経を依頼する際は、菩提寺または葬儀社に連絡し、故人の名前や生年月日、享年、死亡時間などの基本情報を伝えます。次に、故人のご遺体を安置する場所を決め、自宅または葬儀社の安置所へ移動させます。自宅に安置する場合は、広めの部屋を選ぶと安心です。
故人の安置が済んだら、枕元に枕飾りを準備します。白布をかけた小型の机や白木の台に、香炉・ろうそく立て・花瓶の三具足(さんぐそく・みつぐそく)を置き、水や一膳飯、枕団子などのお供えを並べます。これらの品々は地域や宗派によって異なるため、葬儀社に相談して一式を用意してもらうことも可能です。
枕経は、故人が亡くなった直後に行う仏教の儀式です。喪主として初めて葬儀のために行う重要な作業となります。枕経をスムーズに進行させるための具体的な流れを解説します。
なお、現代では、菩提寺を持たない方や遠方にある場合など、枕経を省略するケースも増えています。その際は、菩提寺や葬儀社とよく相談して決定しましょう。また、枕経の流れは宗派や地域によって多少異なる場合があるため、あくまで一例としてご確認ください。
まず、故人のご遺体を安置する場所を決めます。自宅や葬儀社が手配する安置施設などが一般的です。病院で亡くなった場合は速やかに安置場所へ移動します。
安置場所が決まったら、菩提寺に連絡を入れます。菩提寺がない場合や連絡がつかない場合は、葬儀社に相談して僧侶を手配してもらいます。依頼時には、故人の名前、生年月日、享年、死亡時間などの基本情報を伝えましょう。
僧侶が到着するまでに、故人を安置する部屋を整えておくことが大切です。まず、故人は北枕で布団に寝かせますが、間取りの関係で難しい場合は西枕でも差し支えありません。続いて、神棚封じを行い、神棚に白い紙を貼って目隠しをします。
仏壇は、しばらくの間は故人が祈りの対象となるため、扉を閉じておきましょう。そして枕飾りとして、香炉・ろうそく立て・花瓶の三具足を設置し、水や一膳飯、枕団子などをお供えします。
僧侶が到着したら、丁寧に挨拶し、故人の安置場所に案内します。僧侶が法衣を持参している場合は、更衣室に案内します。
僧侶が故人の枕元で読経を始めます。読経の時間は通常30~40分程度です。喪主や遺族は、僧侶の後方で静かに冥福を祈りながら参列します。焼香の順番は喪主から始め、血縁の近い順に行います。
この儀式に参列するのは遺族のみで、親戚や一般弔問客は通常参加しません。
枕経が終わった後、喪主は菩提寺や葬儀担当者と葬儀の日程を打ち合わせます。通夜、火葬、葬儀の日程は、葬儀ホールや火葬場の空き状況、喪主や近親者の都合、僧侶のスケジュールによって決まります。この時、戒名の依頼も行うと良いでしょう。
枕経の際には、僧侶に御車代をお渡しするのが一般的です。御車代の相場は5,000円から10,000円程度で、遠方から来ていただく場合は、移動距離に応じて金額を上乗せします。お布施は御車代とは別に、全ての儀式が終わった後にまとめてお渡しするのが通例です。
また、枕経は遺族やごく近しい親族のみで執り行うため、参列者が香典を持参する必要はありません。香典は、お通夜や葬儀の際に用意すれば問題ありません。
枕経の際にも数珠を持参が推奨されます。数珠は、法要や葬儀と同様に重要な持ち物なので、バッグに常に入れておくと安心です。
枕経の服装や準備に不安がある方は、さがみ典礼にご相談ください。埼玉県内に110以上の自社葬儀場を展開し、一級葬祭ディレクターを始めとする専門性の高いスタッフが在籍しています。
24時間365日いつでもご相談を受け付けており、地域や宗派に合わせたきめ細やかな対応が可能です。家族葬・火葬式・一般葬など、多様な葬儀プランもご用意しているため、状況に応じた最適なご提案ができます。
急なご相談にも対応しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
枕経は、故人と静かに向き合う大切な時間です。突然の出来事の中で、どのような服装を選べばよいか迷ってしまうのは、決して珍しいことではありません。
必ずしも喪服を用意する必要はなく、落ち着いた色合いと清潔感のある服装であれば、失礼にはあたりません。明確な決まりがないからこそ、故人への敬意や僧侶への礼儀を意識した装いを心がけることが大切です。
また、服装だけでなく、儀式の流れや準備物に不安を感じた時は、経験豊富な葬儀社に相談するのがおすすめです。さがみ典礼では、枕経からご葬儀まで、ご遺族の想いに寄り添った丁寧なサポートを行っています。 ご不明な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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