
葬儀費用の負担を軽減したいとお考えの方の中には、「市民葬」という制度をご存知の方もいらっしゃるでしょう。市民葬は自治体が提供する低価格の葬儀サービスとして注目されていますが、実際にさいたま市では利用できるのでしょうか。
本記事では、さいたま市における市民葬制度の現状と、費用を抑えて葬儀を行う具体的な方法について詳しく解説いたします。埼玉県で葬儀をお考えの方、特に費用面でご不安をお感じの方は、ぜひ参考にしてください。

市民葬とは、自治体と葬儀社が連携して提供する、住民向けの低価格葬儀サービスです。
市民葬制度では、自治体が料金設定を行うため一般的な葬儀より安価に設定されています。また、自治体と提携している信頼性の高い葬儀社がサービスを提供し、祭壇、霊柩車、火葬料金などの葬儀に必要な基本サービスが含まれます。葬儀は主に公営施設で行われ、住民の経済的負担を軽減する制度となっています。
市民葬制度では、自治体が葬儀の基本料金を設定し、住民登録のある方やそのご遺族様が利用できます。通常の葬儀と比較して費用を大幅に抑えることができるため、経済的負担を軽減したい方にとって重要な選択肢となっています。
残念ながら、さいたま市では市民葬制度は実施されておりません。現在のところ、さいたま市では市民葬に関する制度は設けられていないのが現状です。
ただし、埼玉県内には市民葬制度を設けている自治体もあります。たとえば川口市では、故人様または申請者(喪主様)のいずれかが川口市民であれば市民葬制度をご利用いただけます。このように、故人様とご遺族様がお住まいの場所が異なる場合は、それぞれの地域の市民葬制度を確認してみることをおすすめします。
市民葬制度の利用条件は自治体により異なりますが、一般的には故人様の住民登録地または喪主様の住民登録地のいずれかが対象自治体であれば利用可能となっています。そのため、さいたま市にお住まいでも、故人様が他の自治体に住民登録されていた場合は、その自治体の制度を利用できる可能性があります。

市民葬制度がないさいたま市でも、費用を抑えて故人様を心を込めてお見送りする方法は複数あります。ここでは、さいたま市で葬儀費用を抑える方法を解説します。
さいたま市では、故人様が加入していた健康保険制度に応じて葬祭費の支給を受けることができます。この制度を活用することで、葬儀費用の負担を軽減できます。申請しなければ支給されませんので、必ず期限内に手続きを行いましょう。
国民健康保険の葬祭費
国民健康保険に加入していた故人様の葬儀を執り行った喪主様に対して、一律5万円が支給されます。原則として、故人様の生計を維持していた方や、実際に葬儀を執り行った方が対象となります。
申請期限は葬儀を行った日の翌日から2年間となっており、この期間を過ぎると支給を受ける権利が消滅してしまいます。そのため、葬儀後はできるだけ速やかに申請手続きを行うことをおすすめします。
申請はさいたま市内の各区役所の保険年金課国保係で受け付けており、郵送での手続きも可能です。郵送の場合は申請書と必要書類の写しを同封して申請してください。
国民健康保険の葬祭費の申請に必要な書類は以下の通りです。
なお、他の健康保険の資格喪失後から3か月以内の場合、他の健康保険から支給される場合があります。また、代理申請の場合は委任状が必要ですが、市内在住の同一世帯の代理人は委任状を省略することができます。
(参考)さいたま市のホームページ|さいたま市国民健康保険の葬祭費の支給について
後期高齢者医療制度の葬祭費
75歳以上の方や、65歳以上で一定の障害があると認定を受けた方が加入する「後期高齢者医療制度」の被保険者が亡くなった場合にも、葬儀を執り行った喪主様に対して一律5万円が支給されます。
申請期限や手続きの流れは国民健康保険の葬祭費と同様で、葬儀を行った日の翌日から2年間が申請期限となります。さいたま市内の各区役所の保険年金課福祉医療係で手続きを行うことができます。
申請に必要な書類は以下の通りです。
なお、故人様が国民健康保険から後期高齢者医療制度に移行していた場合、葬祭費の支給対象は最後に加入していた保険制度のみとなります。そのため、国民健康保険の葬祭費と後期高齢者医療制度の葬祭費を両方受け取ることはできませんのでご注意ください。
健康保険の埋葬料
協会けんぽや健保組合に加入していた故人様が亡くなった場合、埋葬を行う方に対して一律5万円が支給されます。ただし、埋葬を行う方がその被保険者により生計を維持されていた場合に限られます。
申請期限は他の制度と同様に葬儀を行った日の翌日から2年間です。申請はさいたま市役所ではなく、協会けんぽまたは加入していた健康保険組合に直接行います。
申請に必要な書類は加入していた保険によって異なりますので、詳細は協会けんぽまたは加入していた健康保険組合にお問い合わせください。一般的には埋葬料支給申請書、死亡を証明する書類、本人確認書類、振込先口座情報などが必要となります。
退職後3か月以内に亡くなった場合、前の健康保険から埋葬料等が支給される場合があり、その場合は国民健康保険の葬祭費は支給されませんのでご注意ください。
さいたま市には大宮聖苑と浦和斎場の2つの公営火葬場があり、市内にお住まいの方は低価格でご利用いただけます。民営施設と比較して費用を大きく抑えることができるため、葬儀費用の削減に効果的です。
火葬場の使用料
火葬場使用料は、両施設とも同一の料金設定となっています。
| 年齢 | 市内居住者料金 | 市外居住者料金 |
| 12歳以上 | 7,000円 | 56,000円 |
| 12歳未満 | 3,500円 | 28,000円 |
市内と市外で約8倍の料金差があるため、さいたま市民にとって非常に経済的な選択肢となります。
霊安室・待合室の使用料
霊安室使用料は1体1日あたり、待合室使用料は1室1時間あたりの料金です。
| 施設名 | 項目 | 市内居住者料金 | 市外居住者料金 |
| 大宮聖苑・浦和斎場 | 霊安室使用料 | 540円 | 1,080円 |
| 大宮聖苑 | 待合室使用料 | 1,880円 | 3,760円 |
| 浦和斎場 | 待合室使用料 | 1,640円 | 3,280円 |
待合室使用料については、浦和斎場の方が大宮聖苑よりも安価に設定されています。
市内料金で利用するための条件
火葬場使用料については、12歳以上・未満ともに故人様の住所がさいたま市内にあることが条件となります。
霊安室・待合室使用料については、両施設とも故人様または利用者の住所のどちらかがさいたま市内であれば、市内居住者料金が適用されます。
さいたま市で費用を抑えた葬儀を行う方法の一つとして、葬儀の規模や形式を工夫することも挙げられます。たとえば、一般的な葬儀を家族葬や一日葬、直葬に変更することで、大幅な費用削減が可能です。以下では、それぞれの葬儀形式について詳しく解説いたします。
家族葬は、ご親族様や親しいご友人のみで執り行う小規模な葬儀です。全国平均の費用相場は約106万円となっており、参列者対応に追われることなく故人様との時間を大切にできる点が大きなメリットです。返礼品代、会食費、案内状作成費などを削減することで、費用を抑えることができます。
通夜を省略し、葬儀・告別式と火葬を一日で行う形式で、全国平均の費用相場は約88万円です。会場使用料を一日分節約でき、ご高齢のご遺族様の負担軽減にもつながります。通夜の会場費や飲食接待費を削減することで、経済的負担を軽減できます。
通夜や告別式を行わず、火葬のみで故人様をお見送りする最もシンプルな形式です。全国平均の費用相場は約43万円と最も安価で、時間的負担も少なく、家族だけの静かなお別れを希望する場合に適しています。
(参考)いい葬儀|【2024】埼玉県の家族葬・葬儀費用の相場金額と内訳
さいたま市で葬儀費用をさらに削減するために、以下のポイントを参考にしてください。
まず、複数の葬儀社から見積もりを取ることで、同じ内容でも葬儀社によって料金が異なることがありますので、比較検討が重要です。また、故人様やご遺族様のご希望を整理し、必要なサービスを明確にすることで、不要なオプションを削除して費用を抑えることができます。
事前相談を活用することも大切です。生前に相談することで、より良い条件でのプランをご提案できる場合があります。急な時期に慌てて決めるよりも、時間をかけて検討することで、費用面でも内容面でも満足のいく葬儀を行うことが可能です。
さいたま市で葬儀の事前相談を検討している方は、関連記事「【さいたま市の葬儀の事前相談】相談内容・費用・タイミング・ポイントを解説」もあわせてお読みください。

生活保護を受給されている方がお亡くなりになった場合、さいたま市では生活保護法に基づく葬祭扶助という制度があります。この制度は、経済的に困窮している方の葬儀費用を市が支援するものです。
対象となるのは、生活保護を受給していた故人様の葬儀で、原則として喪主様も生活保護を受給している場合に適用されます。単身者の場合は、個別の事情によりさいたま市の福祉事務所が判断いたします。
支給される葬祭扶助の基準額は以下の通りです。
| 年齢 | 支給上限額 |
| 大人(12歳以上) | 21万9,000円以内 |
| 小人(12歳未満) | 17万5,200円以内 |
葬儀の内容については、福祉事務所や担当ケースワーカーとの事前相談により、ケースごとの事情を考慮した上で決定されます。ただし、費用や内容には厳しい制限があるため、一般的な葬儀と比較すると簡素になることが多いのが実情です。
故人様がお亡くなりになった後、住民票のあるさいたま市の福祉課へ連絡し、担当のケースワーカーに葬祭扶助の利用を希望する旨をお伝えください。
ケースワーカーが葬儀の必要性を判断し、葬祭扶助の適用が認められた場合、指定された葬儀社が手続きを代行いたします。費用は葬儀後に市から直接葬儀社に支払われるため、ご遺族様が費用を立て替える必要はありません。
この制度は事前申請が必須となっておりますので、該当される方は早急にケースワーカーにご相談ください。
さいたま市では市民葬制度は実施されていませんが、葬祭費の活用、公営火葬場の利用、適切な葬儀形式の選択により、費用を大幅に抑えた葬儀を行うことが可能です。
まず、健康保険に応じた葬祭費5万円の申請を忘れずに行うことが重要です。次に、大宮聖苑や浦和斎場といった公営火葬場を利用することで、民営施設よりも費用を抑えることができます。さらに、家族葬・一日葬・直葬などの小規模な葬儀形式を選択することで、参列者対応や会場費用を削減できます。生活保護を受給されている方には、葬祭扶助という支援制度も用意されています。
重要なのは、費用を抑えることと、故人様を心を込めてお見送りすることを両立させることです。市民葬制度がなくても、適切な選択をすることで、ご遺族様の経済的負担を軽減しながら、満足のいく葬儀を執り行うことができます。
さがみ典礼では、さいたま市にお住まいの皆様に寄り添い、ご予算やご希望に応じた最適なプランをご提案いたします。費用面でご不安をお感じの方も、まずはお気軽にご相談ください。専門スタッフが24時間365日、心を込めてサポートいたします。
大切な方との最後のお別れを、ご遺族様のお気持ちに寄り添いながら、丁寧にお手伝いさせていただきます。
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