葬儀に参列した際、斎場の入り口や会場内に並べられた美しい花輪をご覧になったことがあるでしょうか。
普段の生活ではあまり馴染みのない花輪ですが、葬儀においては故人へのお供え物として重要な役割を果たします。
特に、家族や親戚が亡くなったとき、突然の訃報に対応するために花輪を手配しなければならない場合、その手続きやマナーに戸惑うことがあるかもしれません。
このような状況で、どのような種類の花輪を選べばよいのか、どこに手配を依頼すればよいのか、さらにはお返しの方法まで知っておくことはとても大切です。
そこでこの記事では、葬儀の花輪に関する基本的な知識から、供花との違い、選び方や値段の相場、地域による習慣の違いまで、初心者にもわかりやすく解説します。
葬儀で贈る花輪
花輪は、故人に対する弔意を示すために贈られる花のアレンジメントで、特に葬儀の際に用いられます。
普段は店舗の開店祝いやイベントで見かけることが多いですが、葬儀においても重要な役割を果たします。
葬儀の花輪は、親族や友人、職場関係者などが故人を偲び、哀悼の意を表すために贈られるものです。
花輪のデザインは一般的に円形で、スタンドの上に生花や造花を美しく配置したものが多いです。
スタンド部分には、贈り主の名前が書かれた札が付けられており、これは故人との関係を示すものとして重要です。
葬儀用の花輪は、白や黒、紫といった落ち着いた色合いでまとめられることが一般的で、華やかな色彩は避けられます。
また、葬儀における花輪は地域や宗派によって異なる場合があります。
例えば、ある地域では花輪が標準的な慣習であっても、他の地域では別の形態の花が主流となることもあります。
そのため、花輪を贈る際には、葬儀社や遺族に確認を取ることが大切です。
特に都市部では、スペースの問題や景観を考慮して花輪を飾ることが難しい場合もあるため、予め相談しておくと安心です。
最近では、花輪を贈ることが減少傾向にありますが、それでもなお、故人を敬う心を形にする手段として、花輪は重要な存在です。
葬儀に参列できない場合でも、花輪を贈ることで故人への思いを伝えることができ、遺族にとっても大切な支えとなるでしょう。
葬儀の花輪の費用相場
葬儀において贈られる花輪は、故人への敬意を表すための大切なアイテムですが、その費用についてはどれくらいの金額が適切か気になるところです。
一般的に、花輪の費用は10,000円から20,000円程度が相場となっています。
この価格帯には、花輪のデザインや使用する花材、そして設置や片付けにかかる費用が含まれます。
花輪の費用はレンタルが一般的であり、生花や造花のどちらを選ぶかによっても金額が変わることは少なく、基本的には同じ価格帯です。
また、支払い方法も様々で、現金での支払いだけでなく、クレジットカードや後日の振り込みに対応している葬儀社も増えています。
注意すべき点としては、あまりに高価な花輪を選ぶことは避けるべきです。
高価な花輪を贈ると、遺族に対して無用な負担をかけてしまう可能性があります。
特に、香典返しの際にお返しの品を準備する際、遺族が気を使うことがあるため、相場内での花輪を選ぶことが無難です。
また、花輪のサイズやデザインも考慮する必要があります。葬儀会場や斎場のスペースに合わせた花輪を選ぶことで、適切な場にふさわしい雰囲気を保つことができます。
もし、どのような花輪を選べば良いか迷った場合は、葬儀社に相談することをお勧めします。
葬儀社は故人との関係性や会場の状況を踏まえて、最適な花輪を提案してくれるため、安心して依頼することができます。
こうした配慮をもって選ぶことで、故人への敬意をしっかりと伝えることができるでしょう。
葬儀の花輪を手配する方法
葬儀の際に花輪を贈りたいと考えた場合、どのように手配すればよいのでしょうか？
花輪の手配には、「葬儀社」「花屋」「インターネット」の3つの方法があります。
それぞれの方法には特徴があり、状況に応じて最適な手配方法を選ぶことが重要です。
ここでは、各方法について解説します。
葬儀社に相談する
最も一般的な方法は、葬儀を担当する葬儀社に直接相談することです。
葬儀社は遺族の意向や宗派、会場の設置可能なスペースなどを把握しているため、適切な花輪を迅速に手配してくれます。
また、葬儀社に依頼することで、芳名名札の書き方や予算の相談もスムーズに行えます。葬儀社がわからない場合は、葬儀会場に問い合わせるとよいでしょう。
花屋に相談する
信頼できる花屋がある場合、そこで葬儀用の花輪を注文することも可能です。
花屋に依頼する際は、配達可能な地域であるか、また葬儀の前日までに確実に配達できるかを確認することが大切です。
一部の葬儀社では提携している花屋が決まっており、他の花屋からの持ち込みを受け付けていない場合もあります。
そのため、事前に葬儀社に確認を取ることが安心です。
インターネットで注文する
インターネットを利用して花輪を注文することも可能です
オンラインショップでは、多様なデザインの中から選ぶことができ、自宅から簡単に注文できます。
ただし、注文する際には配達日や配達地域の確認が必要です。
特に、故人の好みや地域の習慣に合った花輪を選ぶ際には、他の親族と相談しながら選定することが望ましいです。
注意点
花輪を手配する際には、以下の点にも注意が必要です。
まず、葬儀の形式や規模によっては、花輪を飾るスペースが限られている場合があります。
特に家族葬や小規模な葬儀では、花輪を飾る場所が確保できないこともあります。
さらに、キリスト教の葬儀では一般的に造花を使用しないため、花輪を贈ることは避けた方が良いでしょう。
このような場合には、代わりにフラワーアレンジメントを贈ることが一般的です。
以上の方法と注意点を理解しておくことで、適切な花輪を手配し、故人への敬意を表すことができるでしょう。
アルファクラブ武蔵野株式会社
葬祭部 さがみ典礼 執行役員
大学卒業後、アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部さがみ典礼に就職してから約20年を葬儀場の現場でお客様の悲しみに寄り添ってきました。
現在は、さがみ典礼の責任者として、現場スタッフとともに残されたご家族のみなさまがより安心して葬儀を進めていただけるお手伝いできることを心掛けています。
2004年3月 東邦大学理学部卒業
2004年4月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 入社
2020年1月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 川口支社 支社長
2021年5月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 副本部長
2022年5月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 本部長
2023年9月 (有)中央福祉葬祭 取締役（アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 本部長兼務）
2024年5月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 執行役員
