火葬場の仕組みと火葬中に起きること

火葬場は、亡くなった方を火葬するための場所であり、現代の日本ではほとんどの人が火葬を選択しています。
しかし、「火葬場の仕組みはどうなっているのか」、「火葬中にどのようなことが起きるのか」、「なぜ火葬後に骨だけが残るのか」など、具体的な内容についてはあまり知られていないかもしれません。
本記事では、火葬場の仕組みや火葬炉の種類、火葬の温度管理、そして火葬中に起こることについて、初心者の方にもわかりやすく解説します。

火葬の仕組みについて

火葬の仕組みについて

火葬は、遺体を火葬炉で高温で焼くことで遺骨を残すプロセスです。
日本の火葬場では、主に「台車式」と「ロストル式」の2種類の火葬炉が使用されています。
それぞれの仕組みや特徴を詳しく見ていきましょう。

台車式の仕組み

台車式火葬炉は、耐火レンガで作られた台車の上に棺を置き、そのまま火葬する仕組みです。
台車は耐火性が高く、燃えずにそのまま使われます。
台車式では、棺を上と横から囲むように火をあてるため、火葬中の空気の流れが少ないのが特徴です。
これにより、遺骨がそのまま台車の上に残りやすく、綺麗な状態で収骨できます。
このため、日本の多くの火葬場で台車式が採用されています。

ロストル式の仕組み

ロストル式火葬炉は、金属製の格子状の台の上に棺を置いて火葬します。
この台(ロストル)は炉床から浮いているため、空気の流れが良くなり、燃焼効率が高まります。
遺体が燃焼する過程で骨が落ちても、ロストルの下にある骨受け皿で受け止められます。
ロストル式は火葬時間が短く済むことから、都市部の大規模火葬場で採用されることが多いです。

火葬炉の温度管理

火葬炉の温度は、旧式と最新式で異なります。
旧式の火葬炉では800~950度の温度で2~3時間かけて火葬しますが、最新式では900~1,200度の高温で1時間程度で火葬が完了します。
最新式の火葬炉は、コンピューターによる温度管理が可能で、火葬技師が細かく調整しなくても、一定の品質で火葬が行われるようになっています。

火葬中に起きていること

火葬中、遺体は高温の火によって焼かれ、まず皮膚や筋肉が燃焼します。
その後、骨も高温で焼かれますが、骨は完全に燃え尽きることはなく、形を保ったまま残ります。
これは、骨の主要成分であるカルシウムが高温でも分解しにくいためです。
火葬炉内の温度や燃焼時間は火葬技師によって調整され、遺骨が適切に残るよう管理されています。

火葬場の設備と流れ

火葬場には、火葬炉の他に葬儀場、霊安室、告別室、炉前室、控室などが設けられています。
これらの設備は、遺族が故人と最後の時間を過ごすための場所として機能しています。

火葬の流れは以下の通りです。

出棺 – 棺が火葬場に運ばれます。
読経・焼香 – 火葬炉の前で僧侶による読経が行われ、参列者が焼香を行います。
火葬 – 棺が火葬炉に入れられ、火葬が開始されます。
収骨 – 火葬が完了した後、遺骨を収骨し、骨壺に納めます。

火葬場の火葬炉以外の設備

火葬場の火葬炉以外の設備

火葬場は、火葬を行うだけの場所ではありません。
多くの火葬場には、遺族や参列者が利用できるさまざまな設備が備えられています。
これらの設備について紹介していきます。

葬儀場

一部の火葬場には、通夜や葬儀を行うための葬儀場が併設されています。
これにより、火葬場に移動する手間を省き、同じ場所で儀式から火葬までを一貫して行うことができます。
高齢者や足の不自由な方が参列する場合、移動が少ないことで負担を軽減できます。

霊安室

霊安室は、葬儀当日まで遺体を安置しておく部屋です。
病院や葬儀場に霊安室があるイメージが強いかもしれませんが、火葬場にも霊安室が設けられていることがあります。
遺体の安置場所に困った場合、霊安室が併設されている火葬場を利用できる場合もあります。

告別室

告別室は、故人と最後の対面をするための部屋です。
ここで線香を手向け、故人とお別れをする時間を持つことができます。
また、火葬直前には僧侶による読経が行われることもあり、参列者が故人に最後の別れを告げる重要な場所です。

炉前室

炉前室(ろぜんしつ)は、火葬炉の前にある部屋で、前室と呼ばれることもあります。
火葬が始まる前に、ここで僧侶による読経や焼香が行われます。
また、火葬が終わった後に遺骨を拾う「収骨」の儀式もこの部屋で行われます。

控室

控室は、火葬が終わるまでの間、遺族や参列者が待機するための部屋です。
控室では、飲食が可能なため、参列者への接待や火葬後の精進落とし(会食)に利用されます。
控室で過ごす際は、他の利用者もいるため、静かに過ごすことがマナーです。

火葬場には、これらの設備が整っていることで、遺族や参列者が故人を見送るためのサポートを提供しています。施設によって設備は異なるので、事前に確認をしておきましょう。

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