神式の儀式や葬儀において、神主や神官に対する感謝の意を表すために「祭祀料(さいしりょう)」をお渡しすることが一般的です。
しかし、祭祀料の封筒の選び方や書き方に悩む方も多いのではないでしょうか。
祭祀料は、世間一般ではあまり馴染みのないものですが、その正しい準備方法やマナーを知っておくことは大切です。
本記事では、初心者の方でもわかりやすく、祭祀料の基本から封筒の書き方、お札の向きや渡し方まで詳しく解説します。
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祭祀料(さいしりょう)とは?基本的な知識
祭祀料(さいしりょう)とは?
祭祀料とは、神道における儀式や祭典で、神主や神官に対する感謝の意を示すために渡される謝礼金のことです。
仏教でいうところのお布施に相当します。
祭祀料は、主に神式の通夜祭、葬場祭、霊祭などで用いられますが、他にも地鎮祭や上棟祭など、様々な神式の儀式で必要となります。
祭祀料が必要な儀式とは
祭祀料が必要な主な儀式には、以下のようなものがあります。
葬儀に関連する祭祀料
通夜祭(つやさい):
通夜祭は仏式の通夜に相当し、故人の魂を慰めるために行われます。
神主が祭詞を奏上し、神官が儀式を進行します。
遷霊祭(せんれいさい):
遷霊祭は、故人の霊を遺体から霊璽に移す儀式です。
この霊璽は、仏教でいう位牌にあたります。
遷霊祭は、通夜祭と同日に行われることもあります。
葬場祭(そうじょうさい):
葬場祭は仏式の葬儀に相当し、故人との最後のお別れをする重要な儀式です。
霊祭(れいさい・みたままつり):
霊祭は仏式の法要にあたる儀式で、十日ごとに行われる祭典です。
一般的には五十日祭をもって忌明けとされ、その後百日祭、一年祭と続きます。
葬儀以外の祭祀料
地鎮祭:
建物を建てる際に行われる儀式で、土地の神様に工事の安全を祈願します。
上棟祭:
建物の骨組みが完成した際に行う儀式で、工事の無事と建物の長寿を祈ります。
人生儀礼:
人生の節目に行う儀式で、七五三や初宮詣、厄除けなどが含まれます。
祭祀料は、これらの儀式において神主や神官に感謝の意を込めて渡される重要なものです。
そのため、正しいマナーを守って準備し、渡すことが求められます。
祭祀料の封筒の選び方と御祭祀料の書き方と渡し方
神式の儀式において、祭祀料を包む封筒の選び方や書き方には、いくつかのマナーがあります。
ここでは、初心者にもわかりやすく解説します。
封筒の選び方
白無地の封筒を選ぶ
祭祀料を包む封筒は、必ず白無地のものを使用します。
郵便番号が印字されているものや、仏式用の蓮の花、キリスト教用の百合の花が描かれた封筒は使用できません。
また、弔事であるため、のしがついていない封筒を選ぶのが適切です。水引には、白黒の結び切りのものを選びましょう。
白い封筒がない場合は、半紙や奉書紙を使用することも可能です。
濃い墨の筆ペンを使う
封筒に表書きを書く際は、必ず濃い墨の筆ペンを使用します。
葬儀の香典には薄墨を使いますが、祭祀料は神主や神官への謝礼であるため、濃い墨を使用するのが一般的です。
祭祀料の書き方
表書き
封筒の表面の上部には、お金の目的を示す「表書き」を記載します。
表書きには「御祭祀料」「御祈祷料」「御礼」などを使用します。
表書きの下部には、代表者の氏名もしくは「〇〇家」と記載します。
「〇〇家」と記入した場合は、中袋に代表者の氏名を書きます。
表書きや氏名は楷書で書くのがマナーです。
中袋
お札を包む中袋の中央には、包んだ金額を大きく記載します。
文字の改ざんを防ぐために、旧漢字で金額を書くのが基本です。
例えば、5万円の場合は「金伍萬円」、10万円の場合は「金拾萬円」と書きます。
また、中袋の裏側には、代表者の住所と郵便番号を記入します。
表書きに「〇〇家」と書いた場合は、住所の隣に氏名を記載します。
祭祀料の包み方
新札を包む
神主や神官への祭祀料には、新札を使用します。
新札を包むことで、感謝の気持ちをより丁寧に伝えることができます。
肖像画を上にして入れる
封筒にお金を入れる際は、お札の肖像画が上向きになるようにします。
封筒を開けたときに肖像画が見えるようにするのが正しい向きです。
封筒は袱紗に包む
祭祀料を入れた封筒は、袱紗に包んで持ち運びます。
袱紗には、紫や紺、緑などの落ち着いた色を選びます。
袱紗がない場合は、風呂敷やハンカチで代用することも可能です。
祭祀料の渡し方
神主と神官には別々に用意する
祭祀料は、神主と神官それぞれに別々に用意します。
神主は儀式の主役であり、神官はその補佐役です。
祭祀料をまとめて渡すのはマナー違反となるため、必ず別々の封筒に入れて渡します。
儀式が終了した後に渡す
祭祀料は、儀式がすべて終了した後に渡します。
仏式とは異なり、神式では儀式の前ではなく後に渡すのが一般的です。
神主と神官に「本日はありがとうございました」と御礼を述べながら渡します。
袱紗や切手盆に乗せて渡す
祭祀料の封筒をそのまま手渡すのはマナー違反です。
封筒を袱紗や切手盆に乗せて渡します。封筒の表書きが神主から読めるように向きを変えて渡すことも重要です。
祭祀料の費用相場
祭祀料の費用については、多くの方が気になるポイントです。
祭祀料の相場は儀式の種類や地域によって異なりますが、以下に一般的な金額の目安を解説します
一般葬の場合
一般葬は、通夜祭と葬場祭を2日間に分けて行う形式です。
通夜祭と遷霊祭を初日に行い、翌日に葬場祭を執り行います。
通夜祭と葬場祭の両方に参加できるため、参列者が集まりやすいのが特徴です。
神主がひとりの場合:20万円〜30万円
神主がふたりの場合:30万円〜50万円
儀式の内容や地域によって相場が変わるため、予算に合わせて葬儀の内容を決めることが重要です。
一日葬の場合
一日葬は、通夜祭や遷霊祭を行わず、葬場祭のみを1日で執り行う形式です。
短期間で儀式を済ませるため、遺族や参列者の負担を軽減できます。
神主がひとりの場合:10万円
神主がふたりの場合:15万円
一日葬は、一般葬よりも費用を抑えられるのがメリットです。
霊祭の場合
霊祭は、故人の命日や節目ごとに行われる祭典です。五十日祭や百日祭、一年祭などがあります。
五十日祭や百日祭:3万円〜5万円
霊祭と納骨を同時に行う場合:5万円〜7万円
霊祭の相場も地域や神社によって異なるため、不安な場合は近隣の方や斎場のスタッフに相談するとよいでしょう。
祭祀料に関連するマナーと他の費用
神式の通夜祭や葬場祭では、祭祀料以外にもいくつかの費用を用意する必要があります。
これらの費用には、御膳料やお車代が含まれ、正しいマナーに従って準備し、渡すことが求められます。
ここでは、それぞれの費用について解説します。
祭祀料以外に渡すべき費用
御膳料
御膳料とは、神主や神官が会食に参加できない場合に食事代として渡すお金のことです。
一般的には、神主や神官一人あたり5千円〜1万円程度を目安に用意します。
御膳料も祭祀料と同様に、神主と神官それぞれに別々の封筒で渡すのがマナーです。
もし儀式の後に会食を行わない場合や、神主が会食に参加する場合は御膳料を用意する必要はありません。
お車代
お車代は、神主や神官が儀式の会場に移動するための交通費として渡すお金です。
一般的には5千円〜1万円程度が相場ですが、遠方から来る場合はその分多めに包みます。
お車代も神主と神官それぞれに別々に用意し、封筒には「御車代」と表書きをします。
お車代は、儀式が終了した後に渡すのが一般的です。
これらの費用やマナーを理解し、正しく準備をして大切な儀式に対して失礼のないよう臨みましょう。
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アルファクラブ武蔵野株式会社
葬祭部 さがみ典礼 執行役員
大学卒業後、アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部さがみ典礼に就職してから約20年を葬儀場の現場でお客様の悲しみに寄り添ってきました。
現在は、さがみ典礼の責任者として、現場スタッフとともに残されたご家族のみなさまがより安心して葬儀を進めていただけるお手伝いできることを心掛けています。
2004年3月 東邦大学理学部卒業
2004年4月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 入社
2020年1月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 川口支社 支社長
2021年5月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 副本部長
2022年5月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 本部長
2023年9月 (有)中央福祉葬祭 取締役(アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 本部長兼務)
2024年5月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 執行役員