生前贈与は、自分の財産を生きているうちに譲ることで、相続対策として有効な方法です。
高齢化や相続問題が関心を集める中、生前贈与を検討する方が増えているのではないでしょうか。
生前贈与を正しく行えば、家族に財産をスムーズに引き継ぎ、相続時のトラブルを未然に防ぐことができます。
しかし、適切な手続きを知らずに進めると、思わぬ贈与税が課されるなどのリスクもあります。
この記事では、生前贈与のやり方を初心者にもわかりやすく解説し、手続きの流れや必要書類、贈与税を抑えるための方法、注意すべきポイントについて詳しくご紹介します。
生前贈与の効果とメリット
生前贈与にはいくつかの重要な効果とメリットがあり、適切に活用することで将来の相続における課題を軽減することができます。
以下に、生前贈与の具体的な効果と主なメリットについて解説します。
生前贈与の効果とは？
生前贈与とは、自分が生きている間に財産を特定の人に贈与することです。
相続と異なり、生前贈与は存命中に自分の意思で財産を引き継ぐことができます。
この方法により、相続時の課税対象となる財産を減らし、相続税の軽減が期待できます。
相続税は相続財産に対してかかる税金であるため、生前に財産を少しずつ移すことで相続時の財産を減少させ、結果として課税額を抑えることができます。
生前贈与の主なメリット
相続税の軽減効果
生前贈与を行うことで、相続時の財産総額が減り、課税される遺産額が少なくなります。
相続税は、基礎控除を超えた部分に対して課税されるため、基礎控除額以下に相続財産を調整できれば、相続税がかからないこともあります。
基礎控除額は「3,000万円＋600万円×法定相続人の数」で計算されるため、贈与を行うことで財産を基礎控除額以下に抑えることができる場合もあるのです。
トラブル回避
相続が発生すると、遺産の分配について相続人間で意見が分かれ、トラブルになることが少なくありません。
生前贈与で財産をあらかじめ分けておくことで、自分の意志をはっきり示すことができ、相続時の争いを回避する効果が期待できます。
また、生前に贈与することで家族や親族と事前に相談でき、意思の伝達がしやすくなります。
贈与税の非課税枠を活用できる
「暦年課税制度」では、年間110万円までの贈与が非課税となっています。
これを活用して毎年贈与を行えば、贈与税を支払わずに財産を移転できます。
例えば、複数年にわたって110万円以下の贈与を継続することで、相続時の財産を大幅に減らすことができ、長期的な相続税対策となります。
贈与時期と贈与対象を自由に選べる
生前贈与は、贈与のタイミングや贈与する相手を自由に決めることができるため、自分の意思で財産を確実に譲り渡せます。
たとえば、特定の人に財産を贈与したい場合、その意向を実現する手段として非常に有効です。
また、将来的に価値が上がる資産（例えば不動産や有価証券）を早めに贈与することで、後に資産価値が上がっても相続税の影響を抑えることができます。
注意点と制度の活用
生前贈与には「暦年課税制度」以外にも「相続時精算課税制度」があり、それぞれ異なるメリットや要件があります。
自分の状況に合った制度を選び、専門家のアドバイスを受けることが大切です。
また、贈与税や相続税に関する制度は変更されることがあるため、最新の情報をもとに計画を立てることが重要です。
生前贈与を計画的に行うことで、将来の相続税を減らし、家族間のトラブルを回避しながら、財産の引き継ぎをスムーズに進めることができます。
ぜひ専門家に相談し、自分に最適な生前贈与の方法を検討してみてください。
アルファクラブ武蔵野株式会社
葬祭部 さがみ典礼 執行役員
大学卒業後、アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部さがみ典礼に就職してから約20年を葬儀場の現場でお客様の悲しみに寄り添ってきました。
現在は、さがみ典礼の責任者として、現場スタッフとともに残されたご家族のみなさまがより安心して葬儀を進めていただけるお手伝いできることを心掛けています。
2004年3月 東邦大学理学部卒業
2004年4月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 入社
2020年1月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 川口支社 支社長
2021年5月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 副本部長
2022年5月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 本部長
2023年9月 (有)中央福祉葬祭 取締役（アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 本部長兼務）
2024年5月 アルファクラブ武蔵野（株）葬祭部 執行役員
