親が亡くなったら 相続手続きと主な手続きの期限について

親が亡くなったとき、家族は心の整理をつける間もなく、様々な手続きを進める必要があります。
特に相続手続きは、正しく進めないと後でトラブルに発展することもあります。
しかし、何から始めれば良いのか、どの手続きが優先されるのかが分からず、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、親が亡くなった際に必要となる相続手続きの流れと、その期限について詳しく解説します。

親が亡くなったら必要な相続手続き

親が亡くなったら必要な相続手続き

親が亡くなった際、相続手続きは多くの要素が絡むため、全体像をしっかり理解しておくことが大切です。
相続手続きを怠ると、後にトラブルや遺産分割の混乱を招きかねません。
ここでは、親が亡くなった後に行うべき相続手続きの概要を説明します。

相続人の確認

最初に行うべきことは、誰が法定相続人になるのかを確認することです。
民法では相続人の順位が定められており、配偶者は常に相続人となり、
 第1順位は子供(既に亡くなっている場合は孫)、
 第2順位は父母(既に亡くなっている場合は祖父母)、
 第3順位は兄弟姉妹(亡くなっている場合は甥・姪)
となります。

これを確認するために、故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得する必要があります。
必要な書類:
故人の出生から死亡までの戸籍謄本
相続人の戸籍謄本や住民票
注意点: 郵送での取得も可能ですが、請求には正確な本籍地の情報が必要。

遺言書の確認と検認手続き

遺言書が存在するかどうかは、相続手続きにおいて非常に重要です。
もし遺言書が見つかった場合、勝手に開封せず、家庭裁判所に提出して検認を受ける必要があります。
遺言書の検認は、遺言書の内容を確認し、その真偽を証明するための手続きで、相続人全員に通知されます。

検認手続きでの注意:
封印された遺言書を勝手に開封すると罰則を受けることがあるため注意が必要です。

相続財産の調査

相続財産は現金や不動産だけでなく、株式や負債(借金)なども含まれます。
これを把握することで、正確な相続財産のリストを作成し、相続税の計算や分割協議の際に役立てます。
借金がある場合は、相続放棄や限定承認を検討することも必要です。
これらの選択は、相続開始を知った日から3カ月以内に行わなければなりません。

調査方法:
銀行口座、証券会社、不動産登記簿などを確認
借金がある場合は、ローン明細や保証債務を確認 等

相続放棄や限定承認の申述

相続財産をすべて引き継ぐか、借金などを考慮して相続を放棄するかを決定します。
相続放棄を選ぶ場合は、3カ月以内に家庭裁判所で手続きを行います。
限定承認は、相続財産の範囲内でのみ負債を負うことを条件に相続する手続きです。

遺産分割協議と協議書の作成

相続人が複数いる場合、全員で遺産の分割方法を話し合います。
この協議で合意が得られたら、遺産分割協議書を作成し、全員の署名と実印を押印します。
遺産分割協議書は、相続税の申告や不動産登記などで必要となるため、法的に有効な形式で作成することが重要です。

相続税の申告と納付

相続税の申告は、相続の開始を知った日から10カ月以内に行う必要があります。
申告に必要な書類を税務署に提出し、相続税の納付を行います。
相続税の申告が遅れると延滞税が課される場合があるので、期限内に申告を済ませましょう。

申告に必要な書類:
相続財産の評価資料
遺産分割協議書
各相続人の住民票など

親が亡くなった後の相続手続きは、法律や期限が絡むため計画的に進める必要があります。
初めて相続を経験する方は、全体の流れを把握して順を追って手続きを行いましょう。
必要であれば、専門家のアドバイスを受けることも一つの手です。

相続手続きの期限

相続手続きの期限

親が亡くなった後の相続手続きには、期限が定められているものが多くあります。
これらの期限を守らないと、相続放棄の権利を失ったり、延滞税が発生したりといった不利益を被る可能性があります。
ここでは、相続手続きの主要な期限とそれぞれの概要を説明します。

相続放棄・限定承認(3カ月以内)

相続放棄や限定承認は、相続人が相続をどのように進めるか決定する重要な手続きです。
被相続人の財産が負債を上回るか不明な場合や、明らかに借金が多い場合は、相続放棄や限定承認を検討します。
これらの手続きは、相続が開始したことを知った日から3カ月以内に家庭裁判所で行う必要があります。

注意点:
期限を過ぎると単純承認とみなされ、すべての財産や負債を相続することになります。
相続放棄を行うと、その相続に関するすべての権利が失われるため、慎重な判断が求められます。

準確定申告(4カ月以内)

準確定申告とは、亡くなった方(被相続人)の死亡した年の所得税を申告する手続きです。
相続人は、被相続人の死亡後、1月1日から死亡日までの所得を対象に準確定申告を行わなければなりません。
この申告は、相続開始を知った日の翌日から4カ月以内に行う必要があります。

対象となるケース:
被相続人が年金や不動産収入を得ていた場合など、確定申告が必要な所得があった場合です。
相続人が複数いる場合は、連名で申告書を提出します。

相続税の申告・納付(10カ月以内)

相続税の申告・納付は、相続開始を知った日の翌日から10カ月以内に行わなければなりません。
相続税が課されるかどうかは、遺産の総額が基礎控除額を超えるかによって決まります。

基礎控除の計算式:
基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)

この控除額を超える遺産がある場合、相続税の申告と納付が必要です。
期限内に納付しないと、延滞税や加算税が課される場合があります。

注意点:
税務署への申告だけでなく、相続税の納付も期限内に済ませる必要があります。
遺産が現金ではない場合は、物納制度や分割納付制度を利用することも検討します。

その他の手続きと期限

親が亡くなった後には、相続手続き以外にもいくつかの公的な手続きが必要です。
例えば、死亡届の提出は7日以内、年金受給停止や健康保険資格喪失手続きは14日以内に行わなければなりません。
また、遺族基礎年金の請求は5年以内、死亡一時金の請求は2年以内といった手続きもあるため、期限を確認して進めることが大切です。

相続手続きには、期限の短いものから長期的なものまで多岐にわたる手続きが含まれます。
期限を逃すと、相続人にとって不利益を生じる可能性があるため、適切な計画を立てて進めることが必要です。
不明点がある場合は、早めに専門家に相談して、安心して手続きを進められるようにしましょう。

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