「永代供養(えいたいくよう)」とは?費用からメリット、注意点まで

時代の変化とともに、多くの人々が選ぶようになったのが「永代供養」という供養形態です。
この記事では、少子高齢化が進む現代において、終活の一環として永代供養を検討する方々、故人への敬意と供養の選択を考えている方々に、永代供養の具体的な意味や特徴、そしてそれが従来の「永代使用」とどう異なるのかを、初心者にも分かりやすく解説していきます。
また、メリットとデメリットを理解することで、最適な供養形態を選ぶ際に役立てていただければ幸いです。
後半部分では、永代供養に関する注意点も詳しく解説していきます。

永代供養(えいたいくよう)とは?

永代供養(えいたいくよう)とは?

「永代供養」とは、寺院や霊園が個人や家族に代わって、故人の遺骨を永続的に管理し、供養を行うことを指します。
この概念は、時代の変化と共に多くの人々に受け入れられています。
特に、「お墓を継ぐ人がいない」、「子供や孫に負担をかけたくない」、または「遠方から遺骨を移したい」といった様々な事情を持つ方々にとって、永代供養は安心できる選択肢となっています。

永代供養の特徴は、期限を設けずにいつまでも故人を弔い続けることです。
これにより、子供や家族へのお墓の継承を前提としないため、身寄りのない方や後継ぎのいない方の供養手段として長らく用いられてきました。
最近では、お墓の維持にかかる費用や労力を考慮し、自ら永代供養を選ぶ人も増えています。

一方で、宗派によっては、永代供養に関する考え方が異なる場合があります。
たとえば、浄土真宗では、信仰に基づいて故人はすぐに極楽浄土へとたどり着くとされ、従来の意味での「永代供養」は必要ないと考えられています。
しかし、実際には浄土真宗にも同じような概念の供養形態が存在します。

永代供養は、現代の多様なライフスタイルや家族構成、宗教観に合わせて、故人を供養する新しい方法として注目されています。
墓じまいをして新たな場所に遺骨を移すことも可能であり、多くの人々にとって心の安らぎとなっています。

「永代供養」と「永代使用」の違い

「永代供養」と「永代使用」はよく似た言葉ですが、その意味と概念は大きく異なります。
これらの違いを理解することは、お墓の選択において大変重要です。

永代供養の定義

永代供養は、前述したとおり故人の遺骨を寺院や霊園が預かり、遺族に代わって永続的に供養することを意味します。
この形式では、個人や家族がお墓の管理や維持を行う必要はなく、専門の機関がその責任を負います。
永代供養は、特に後継者がいない場合や、遠方に住んでいるため墓地の維持が困難な人々に適した選択肢です。

永代使用の意味

一方で、永代使用とは、お墓の土地を永続的に使用する権利のことを指します。
これは、一般的に「お墓を買う」と表現されますが、実際には土地の所有権そのものが購入者に移るわけではありません。
契約時に支払う永代使用料は、特定のお墓の区画を使用する権利を得るためのもので、所有権は依然として寺院や霊園に残ります。

永代供養と永代使用の根本的な違い

永代供養は故人の遺骨を供養するサービスの提供を意味し、遺族の管理負担を軽減します。
対して、永代使用は土地の使用権を指し、実際の墓地の維持管理は遺族の責任になります。
この根本的な違いを理解することは、お墓や供養の形式を選ぶ際に大切な要素となります。

永代供養墓の種類と特徴

永代供養墓の種類と特徴

永代供養墓には、さまざまなタイプが存在し、それぞれに特徴があります。
ご家族がお参りをすることが難しくなった場合でも、寺院や霊園の管理者が永続的に遺骨の管理と供養を行ってくれるのが永代供養墓の大きな特長です。
その永代供養墓の種類や、どんな方におすすめできるか、費用なども含めて解説します。

永代供養のご遺骨の安置方法の種類

永代供養墓の種類は、ご遺骨の安置方法によって分類することができます。
ご遺骨の安置方法のタイプについて解説していきます。

合祀型(一つの墓石や霊廟の中に複数の人を埋葬する共同墓タイプ)

合祀型とは、複数の故人の遺骨を一つの墓地や建物(例えば墓石や霊廟など)に共同で納める供養方法です。
この方式では、不特定多数の方々と共に埋葬され、寺院や霊園が集合的に管理と供養を行います。

合祀型の特徴とメリット
合祀型の最大の特徴は、個々の故人ごとに個別のお墓を持たず、多くの人々と一緒に埋葬されることにあります。
これには、「寂しくない」「永続的に供養される」という安心感があります。
加えて、維持管理費がかからないため、経済的な負担が軽減されるのも大きなメリットです。

合祀型の注意点
特に重要なのは、一度合祀された遺骨は他の故人の遺骨と混ざってしまうため、後で取り出すことができない点です。
これは、分骨や改葬を考えている家族にとって重要な検討事項となります。
そのため、合祀型を選択する際は、生前に家族や親戚と十分に話し合い、同意を得ておくことが望ましいです。

・費用:約3万円〜約50万円

集合型(骨壷をそれぞれ安置しお墓を共有するタイプ)

「集合型」永代供養墓は、故人の骨壷を共通のスペースに安置する供養方法です。
このタイプは、個々の遺骨に小さな石碑や石塔を建て、それらを集合させて一つのお墓の形を作ります。

・集合型の特徴とメリット
集合型では、各故人の遺骨は個別に納骨スペースを与えられますが、全体としては共通の場所で管理されます。
これにより、合祀型のようにすぐに合葬することはなく、個別の骨壷がそれぞれ安置されます。
集合型は、個別型のように特定の人だけに絞ってお参りすることはできないものの、合祀型と同様に管理費の心配がなく、お墓を建てる手間も省けます。
また、墓所によっては納骨後でも分骨や改葬に応じてもらえることもありますが、安置期間が決まっている場合はその期間内に手続きを完了させる必要があります。

・集合型の選択ポイント
集合型の永代供養は、個別のお墓の維持にかかる手間やコストを節約しつつ、故人ごとに一定の個別性を保ちたいと考える方に適しています。
特に、お墓参りの頻度が少ない家庭や、遠方に住む家族、またはお墓の継承者がいない場合に適した選択肢となり得ます。
この方式を選ぶ際には、安置期間やその後の手続きについて、事前に詳細を確認しておくことが大切です。

・費用:約20万円〜約50万円

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墓石型(永代供養の中で唯一お墓を立てられる個人墓タイプ)

永代供養墓の中でも、伝統的なお墓の形を保ちつつ永代供養の利点を享受できるのが「墓石型」です。
このタイプでは、個人や家族単位で墓石を建てることが可能で、一定の個別性を維持しつつ永代供養のサービスを受けられます。

・墓石型の特徴とメリット
墓石型では、個人または複数人の故人のために個別の墓石を設置できます。
骨壷はそのまま安置され、契約によっては一定期間後に共同の墓所に合祀されることもありますが、通常のお墓のように個別に参拝し供養することが可能です。
このタイプは、個人的な供養を重視する方や、お墓への訪問を重要視する家族にとって魅力的な選択肢となります。

・墓石型の注意点
ただし、墓石型は比較的新しい供養方法であり、対応している霊園が限られている場合があります。
また、墓石の設置には費用がかかるため、他のタイプに比べて割高になる傾向があります。
さらに、墓石を撤去する際の費用も発生することがあるため、契約内容を事前に確認することが重要です。

墓石型永代供養は、永代供養のメリットと一般のお墓のメリットを兼ね備えています。
個人での墓地と墓石の確保が可能であり、後継者がいなくなった場合にはお寺や霊園が責任を持って供養と管理を行います。
費用は高めですが、個別の供養と開放感を重視する方にとっては理想的な選択肢です。

・費用:約60万円〜約150万円(墓石の規模や敷地面積によって変動)

樹木葬(樹木を中心に自然の中に埋葬するタイプ)

樹木葬は、自然との調和を大切にする永代供養の形態です。
桜やハナミズキなどの樹木や花々に囲まれた場所に遺骨を埋葬する方法で、墓石を必要とせず、自然の中で故人を偲ぶことができます。

・樹木葬の特徴とメリット
この供養方法の特徴は、自然の一部として故人を供養することにあります。
里山や霊園内の特定の場所に、遺骨を埋葬します。
多くの場合、故人ごとに特定の木を選ぶことはできず、複数の故人が同じ樹木の下に埋葬されることが一般的です。
樹木葬は、費用が比較的低く抑えられる点が大きなメリットです。

・樹木葬の選択ポイント
樹木葬を選ぶ際には、埋葬スペースが比較的小さいことや、埋葬する遺骨の形状に特定の指定があることに注意が必要です。
また、遺骨を埋葬した後の改葬は難しいため、この点を考慮して決定することが大切です。
樹木葬は、お墓の建立や維持にかかる費用や手間を避けたい方、自然環境に故人を還したいと考える方に特におすすめの方法です。

日本では古くから「自然に帰る」という考え方があり、樹木葬はその思想を反映した現代の供養スタイルです。
自然に囲まれ、明るく穏やかなイメージを好む方々からの関心を集めています。
樹木葬は、自然と調和しながら故人を思い出す、新しい形の永代供養として広く受け入れられています。

・費用:約10万円〜約80万円

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納骨堂型(屋外のお墓ではなく屋内に安置するタイプ)

納骨堂型永代供養は、遺骨を屋内施設で管理する現代的な供養方法です。
屋外の墓地ではなく、屋内の納骨堂に故人の遺骨を安置し、定期的に供養します。

・納骨堂型の特徴とメリット
この方式では、個別に設けられた仏壇やロッカーに骨壷を安置します。
納骨堂の種類は多岐にわたり、ロッカー型、仏壇型、位牌型、自動搬送型などがあります。
それぞれのタイプによって費用が異なり、一般的には10万円から200万円程度の範囲に収まります。
納骨堂の大きな利点は、天候に左右されずに参拝できること、お墓の建立や維持管理にかかる費用がおさえられることです。

・考慮すべきポイント
納骨堂型永代供養を選ぶ際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。
一つは、一部のタイプでは立ち入りが制限されることがある点です。
また、年間の維持管理費が必要な場合もあります。
自動搬送型のような近代的な形式では、お参りの際に位牌が呼び出される仕組みを採用しており、新しい供養のスタイルを提供しています。

・納骨堂型の選択
納骨堂型永代供養は、交通の便が良く、屋内であるため参拝が便利な点が魅力です。
ただし、建物の老朽化や将来的な合祀の可能性を考慮し、契約時にはその条件をしっかりと確認しておくことが重要です。
この方式は、特に都市部に住む方や、手間をかけずに故人を供養したい方に適しています。

費用:10万円から200万円

永代供養のメリットとデメリット

永代供養のメリットとデメリット

永代供養の利点は、継承者や頻繁な参拝の心配なく埋葬できることです。
これらのメリットを活かすには、デメリットにも留意し、自身に適した選択かを検討する必要があります。
ここでは、重要な注意点と共に、そのメリットとデメリットを説明します。

永代供養のメリット

永代供養は、従来のお墓に比べて多くの利点を提供します。
特に経済的な負担の軽減や管理の手間の削減が大きなメリットとして挙げられます。
以下、項目ごとに解説していきます。

費用の軽減

永代供養は、個人墓を建てるよりも費用を抑えやすく、墓石代が不要で管理の手間も少ないため、経済的な負担が少なくて済みます。
費用の範囲は約10万円から100万円超までで、さまざまな選択肢があります。

管理の一任

永代供養では、供養や墓地の管理を施設に委ねることができるため、継承者の方がそのお墓を永代供養墓に改葬することで、維持管理の負担を軽減できます。
また、後継者の有無に関わらず利用でき、生前契約が可能な点も魅力です。

宗教・宗派の制約がない

多くの永代供養施設は特定の宗教や宗派に限定せず、故人や遺族の宗派を問わず供養できる点も大きなメリットです。
宗派に関わらず利用しやすく、遺族の宗派が異なる場合でも安心して利用できます。

親族の負担軽減

永代供養は、費用を支払った後は供養と管理を施設に委ねることができるため、遺族や継承者にかかる負担を大きく軽減できます。
これにより、子孫世代がお墓の継承や管理について心配する必要がありません。

生前契約が可能

多くの永代供養墓は、生前に契約を行い、亡くなった後の供養を確約することができます。
これにより、将来に対する不安を解消し、晴れやかな気持ちで人生を送ることができます。

これらのメリットにより、永代供養は、費用と管理の負担を減らしながらも、故人を適切に供養するための現代的で効率的な選択肢として注目されています。

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永代供養のデメリット

永代供養は多くのメリットを持つ一方で、特定の状況や遺族の意向によってはいくつかのデメリットが存在します。
これらの点を理解し、選択を行う際は慎重にご検討すしてください。

取り出し不可の合祀

永代供養を選択する場合、多くの故人が共同の「合祀墓」に埋められることが一般的です。
これにより、遺骨を再度取り出すことはできません。
この点は特に注意が必要で、将来的に遺骨を移動させたいと考える場合は、永代供養が適切でない可能性があります。

意見の相違

遺族の中には永代供養に反対する人もいるかもしれません。
古くからの観念や、お墓の伝統的な形式にこだわる人もいるため、永代供養の選択は家族間で意見が分かれることがあります。
そのため、親族全員の合意を得ることが困難になることも考慮する必要があります。

期間限定の供養

多くの永代供養は、一定期間(例えば33回忌)が経過すると合祀されることが多く、個別の供養はその期間までとなることが一般的です。
したがって、長期間の個別供養を望む場合は、この点を検討する必要があります。

宗派や価値観の問題

永代供養は宗派を問わず利用できることが多いですが、宗派によっては合祀の概念に反対する場合もあります。
また、永代供養を「身寄りのない人のため」と捉える親族もいるため、そのような先入観に基づく誤解を解くための努力が必要になることもあります。

永代供養の選択には、これらのデメリットを慎重に考慮し、遺族の意向や故人の意志に最も合った方法を選んでください。

永代供養墓の選び方のポイントとまとめ

永代供養墓の選び方のポイントとまとめ

永代供養墓を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。
適切な永代供養を選ぶためには、必要な要素を紹介します。

お墓参りの便利さ

埋葬場所が屋外か屋内か、どちらが好ましいかを考えます。
特に、天候や季節に左右されない参拝が可能かどうかを検討しましょう。
場所のアクセスや、車椅子や杖を使用する家族の利便性も重要な考慮事項です。

費用と管理

初回の費用だけでなく、年間の管理料や法要にかかる費用を確認します。
供養に関する費用や、お布施、法事の際の雑費も考慮に入れることが重要です。

宗派と供養の方法

永代供養を提供する施設が特定の宗派に限定しているか、または宗派を問わないかを確認します。
宗派にこだわりがある場合は、その宗派に対応している施設を選ぶことが大切です。

埋葬人数と方法

個人用から大人数用まで、埋葬人数に応じた選択肢があるかを確認します。
分骨型か合祀型かといった埋葬方法の選択肢も重要です。

期間と将来の計画

合祀されるまでの期間や、その後の供養の取り決めを理解しましょう。
供養を任せる寺院や霊園の考え方や将来の計画についても確認が必要です。

追加費用の有無

初期費用の他に維持費や追加で発生する費用がないか、事前に確認することが重要です。

永代供養墓を選ぶ際は、これらのポイントを総合的に考慮し、故人と遺族のニーズに最も合った選択をこころがけてください。

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