直葬の流れとは?費用相場やメリット・デメリットも詳しく解説

直葬の流れとは?費用相場やメリット・デメリットも詳しく解説

葬儀に対する考え方は時代とともに変化し、多様な形式が生まれています。中で、近年注目を集めているのが「直葬(ちょくそう)」です。しかし、直葬とは具体的にどのような葬儀を指すのか、わからない方も多いかもしれません。

直葬は、伝統的な葬儀で行われる儀式を省略し、火葬のみを行う葬儀スタイルです。直葬にはメリットだけでなく、注意すべきデメリットもあります。費用の面でも従来の葬儀とは異なる特徴があるため、理解して選ぶのが重要です。

本記事では、直葬の基本から流れ、メリットやデメリット、費用を詳しく解説します。

直葬とは?

直葬は、従来の葬儀の流れを大きく簡略化した方法です。通夜や告別式などの儀式を行わず、故人のご遺体を直接火葬場に運び、火葬のみで弔います。「密葬」や「火葬式」とも呼ばれています。

直葬は一般的な葬儀と異なり、一般的に家族や親族、親しい友人などの少人数で執り行うため、シンプルかつ個人的な葬儀で故人とのお別れを行うことができます。

法律では死後24時間以内の火葬は原則として禁じられているため、ご遺体の安置は直葬でも必要です

直葬は通夜や告別式を行わない分、比較的スムーズに進行しますが、家族や親族は、告別式を省略することについて、故人の遺志も含め十分に考慮したうえで決定する必要があります。

※出典:厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)」

直葬の流れ

直葬は伝統的な葬儀の通夜や告別式を省略し、火葬のみを行うシンプルな弔いの方法です。直葬の流れは様々なパターンに分けられますが、以下では、基本的なプロセスを紹介します。

ご臨終から安置

故人が亡くなった後、ご自宅や葬儀社の安置施設へご遺体を搬送して安置します。逝去してから火葬までに24時間以上経過する必要があるため、安置時間が短くならないように火葬のスケジュールが調整されます。

納棺

故人に死装束を着せ、棺に納めます。湯灌をしたり死化粧を施したりと、時間をかけて丁寧に納棺するケースもあります。故人とご家族が向き合う大切な時間です。

納棺は、一般的にご家族やご親族など、故人と近しい関係者と葬儀社のスタッフのみで行われます。ご家族のみ、または葬儀社のスタッフに任せることも可能です。

出棺と火葬場への搬送

納棺後、ご家族や葬儀社の担当者が棺を寝台車(霊柩車)に運び、火葬場へ搬送します。直葬の形式によっては、納棺までは葬儀社が行い、ご家族とは火葬場で待ち合わせするケースもあります。

火葬

火葬場にて、故人を火葬します。火葬炉に入る前に、僧侶による数分間の読経も可能です。また、遺影写真を飾り、お別れ用の花束(送り花)などを添えてお見送りすることもできます。

お骨上げ

お見送り後、控室などで1時間ほど待機します。火葬が完了したら、ご家族が遺骨を骨壺に納める儀式を行います。

よくある直葬のパターン

直葬には、大きく分けて以下の3通りのパターンがあります。

  • 遺族が全面的に参加する形式
  • 遺族が部分的に参加する形式
  • 葬儀社に全てを任せる形式

直葬の流れはどのパターンでも共通していますが、遺族の関わり方が大きく異なります。病院で亡くなった場合を想定して、それぞれの形式の違いを見ていきましょう。

遺族が全面的に参加

  1. ご遺体搬送後、自宅にて安置
  2. 直葬当日、遺族参加により納棺
  3. 出棺後、遺族の見守りにより火葬
  4. 火葬後、遺族が骨上げを行い、遺骨を持ち帰る

遺族が全面的に参加する直葬では、葬儀社スタッフのサポートのもとで、全ての儀式に遺族が関わります。

遺族が部分的に参加

  1. ご遺体搬送後、葬儀社にて安置
  2. 直葬当日までに葬儀社スタッフにより納棺
  3. 直葬当日、遺族は直接火葬場に向かい葬儀社スタッフと集合し、火葬
  4. 火葬後、遺族が骨上げを行い、遺骨を持ち帰る

遺族が部分的に参加する直葬では、出棺までは葬儀社スタッフに任せます。遺族は火葬から参加し、骨上げを行い、遺骨を持ち帰るところは全面的な参加パターンと同様です。

葬儀社に全て任せる

  1. ご遺体搬送後、葬儀社にて安置
  2. 直葬当日までに葬儀社スタッフにより納棺
  3. 出棺、火葬、骨上げまで葬儀社スタッフが実施
  4. 遺骨が遺族の自宅に届く

葬儀社に全て任せる形式の直葬では、遺族は葬儀社から届いた遺骨を受け取るのみです。

なお、ご遺体が火葬炉に入る前に僧侶による読経を希望する場合は、葬儀社に相談してみると良いでしょう。

直葬の費用相場

直葬の費用相場

直葬は、一般葬や家族葬に比べて経済的負担を大幅に軽減できる葬儀形式です。一般的な葬儀の費用が平均で約200万円であるのに対し、直葬の平均費用は約20~40万円とされており、直葬は一般葬の約1/5、家族葬の約半分の費用で済みます。

ただし、この金額はあくまで目安です。葬儀社のプランや必要なサービスによって実際の費用は変動します。

なお、葬儀社によっては「10万円で直葬が可能」と宣伝していても、必要な物品やサービスが全て含まれていない場合もあります。その際には追加料金が発生するため、事前の確認が必要です。

直葬に必要な物品やサービスの項目

  • 搬送サービス
  • 安置施設使用料
  • ドライアイス
  • 棺、骨壺、お別れ用の花束などの物品一式
  • 火葬料金
  • 運営スタッフ
  • 火葬手続き代行

なお、生活保護を受けている方が葬祭扶助を利用する場合、支給額は自治体によって異なりますが、おおむね20万円前後で、直葬にかかる費用と同程度です。

直葬は費用面でのメリットが大きいですが、具体的な費用は葬儀社のプランや必要なサービスによって異なります。複数の葬儀社への見積もり依頼や相談を行ったうえで決めるのが望ましいです。

直葬のメリット

直葬は、シンプルさと経済的な利点を兼ね備えた葬儀形式です。代表的なメリットを解説します。

経済的な負担を軽減できる

直葬では通夜や告別式を行わないため、一般的な葬儀と比較して費用を大幅に削減できます。葬儀の規模を小さくでき、費用を最小限に抑えられるため、特に費用を抑えたい方には最適な選択肢です。

手間と時間を節約できる

一般葬では通常2日間を要する葬儀プロセスが、直葬では大幅に短縮されます。参列者対応や受付係の手配などの手間が省けるため、忙しい現代人にとって特にメリットが大きいです。

心身への負担を軽減できる

直葬は家族や親しい友人などの少人数で行うため、大勢の参列者への対応や葬儀後の挨拶回りが不要です。一般的な葬儀と比較して気を配る場面が少ないため、心身への負担を最小限に抑えられます。

直葬では親しい方だけで故人を見送るため、気兼ねなく身内だけの静かな別れを望む方にとっては大きなメリットでしょう。

日程設定の自由度が高い

直葬では通夜や告別式を行わないため、日程の設定に自由度があり、故人の意思に沿った形で迅速に手続きを進めることができます。

直葬は費用を抑えられるだけでなく、手間、時間、心身の負担を軽減できるため、現代の多忙なライフスタイルに適した葬儀形式です。身内だけで故人を送りたい場合や、形式的なものを省きたい場合、無宗教で僧侶を呼ぶ必要がない場合にも適しています。

また、高齢の方や身体的な負担を避けたい参列者にとっても負担が少ないため、心に余裕を持って故人を弔うことができます。

直葬のデメリット

直葬には多くのメリットがありますが、一方で、デメリットも存在します。

親族の理解を得にくい場合がある

直葬は通夜や告別式を行わないため、一部の親族からは「故人に対して失礼だ」と受け取られることがあります。直葬を行う際には、親族へ事前の説明と理解を得るための努力が必要となります。

身内以外が参列できない

直葬は身内だけで行うため、参列を希望する知人や友人が葬儀に出席できないことに不満を持つ場合があります。参列を希望する方への対処として、後日弔問の機会を設けるなどの配慮が求められます。

菩提寺とのトラブルが発生する可能性がある

菩提寺がある場合、直葬を行う旨を事前に伝えておくのが望ましいです。特に、納骨に関してトラブルになる可能性があります。住職の了承を得ずに直葬を進めると、寺墓地への納骨を断られるケースもあるため注意が必要です。

宗教的儀式を省いたことにより、菩提寺との関係が損なわれる可能性があるので、慎重に進めましょう。

お別れの時間が限られている

直葬は通夜や告別式を省略するため、限られた時間の中で故人との最後のお別れをしなければなりません。そのため、家族や親しい方々が故人とじっくり向き合う時間の確保が難しいかもしれません。

香典収入は期待できない

一般葬の場合、多くの参列者から香典を受け取りますが、直葬では参列者が限られるため、香典収入を期待することは難しくなります。

直葬を選択する際には、デメリットを十分に理解し、親族や関係者と話し合いましょう。また、直葬によるマイナスの影響を最小限に抑えるために、適切な対処法や代替案を検討すると良いでしょう。

直葬を選択した際に気を付けるべきこと

直葬には多くのメリットがある一方で、適切に行わないとトラブルにつながる可能性があります。直葬を行う際に特に注意すべきポイントを解説します。

遺体の安置場所の確保

直葬では、法律により死後24時間は火葬ができないため、火葬までの間、遺体を安置する場所が必要です。

病院で亡くなった場合も、病院では長時間安置してもらえません。自宅に安置できるスペースがあれば問題ありませんが、難しい場合は葬儀社や火葬場の霊安室の利用を検討しましょう。

親族とのコミュニケーション

直葬の決定には親族の理解と同意が必要です。通夜や告別式を省略するため、一部の親族から不満や反対の声が上がることがあります。事前に直葬の意図やメリットを説明し、理解を得てから実施するのが望ましいです。

菩提寺との調整

菩提寺やお付き合いを続けてきたお寺がある場合、直葬を行う前に説明し、了承を得ておきましょう。納骨や法要の際にトラブルが発生するのを防ぐためにも、菩提寺との調整が必要です。

弔問客への対応

直葬は身内のみで行われるため、参列を希望する方々への配慮が必要です。後日、弔問の機会を設けるなどの対応を考えておきましょう。

葬祭料の申請

直葬後に葬祭料の申請を行う際、「葬儀は行われていない」として支給されない場合があります。健康保険組合や自治体の葬祭料の申請基準を事前に確認し、適切な手続きを行うことが大切です。確認不足により葬祭料が支給されないことのないよう、注意しましょう。

直葬をご希望の方はさがみ典礼にご相談を

直葬を検討されている方や葬儀でお悩みの方は、さがみ典礼にお気軽にご相談ください。さがみ典礼は、埼玉県を中心に創業60年以上にわたり葬儀サービスを提供しています。

埼玉県で最多数の一級葬祭ディレクターが在籍し、さらに一段上の経験と知識を持つ「キャップ」が、ご要望に対して細やかに対応します。

さがみ典礼は一般葬や家族葬、一日葬など、ご希望に合わせて選べるよう多様なプランをご用意しています。

直葬をご希望の場合は、「火葬式」プランがおすすめです。通夜式や告別式がなく、ご搬送・ご安置後に火葬を行います。枕飾り、遺影写真、送り花(花束)が含まれるプランで、シンプルでも心のこもったお見送りができます。

よりシンプルな直葬をご希望の場合は、「お別れ葬」プランを選ぶことも可能です。火葬式プランに含まれる枕飾り、遺影写真、送り花(花束)は付きませんが、お見送りに必要な最小限の物品が用意されています。

なお、さがみ典礼では事前に資料をご請求いただいた方に、一般価格から最大25万円の割引サービスを行っています。さらに、葬儀の準備や進行に役立つ『喪主のための本」をプレゼントします。

資料請求はWebから無料ででき、フリーダイヤルでの相談も随時受付しているため、お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

直葬とは、通夜や告別式を行わず、火葬のみを行う葬儀形式です。家族のみで故人を静かに見送りたい場合や、葬儀費用を抑えたい場合に選ばれています。

直葬は一般的な葬儀と比べて流れがシンプルですが、遺族が主体的に関わることも、葬儀社に大部分を任せることも可能です。状況や希望に応じて選択しましょう。

直葬にはメリットとデメリットがあるため、事前に確認し、納得したうえで実施することが望ましいです。直葬のご希望や葬儀に関するご相談がある場合は、さがみ典礼にお気軽にご連絡ください。

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直葬に関するよくあるご質問

Q.直葬では、通夜振る舞いや精進落としのような食事の機会はありますか?

A.

直葬では、稀に、火葬の待機時間や火葬後の時間を利用して食事の場が設けられることもありますが、食事の場を設けないケースが大半です。参列する場合は、自宅や火葬場周辺で食事を済ませておくことをおすすめします。

Q.直葬の際の服装は何を着ていけばよいですか?

A.

直葬は、家族や親しい親族のみが集まることが一般的なため、服装のマナーは厳しくありません。

喪主や遺族は喪服の着用が一般的ですが、他の参列者は喪服に準じた服装でも構いません。喪服に準じた服装を選ぶ場合は、哀悼の意を表すために黒のスーツや黒のワンピースなどが推奨されます。

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金澤一史
監修 金澤一史 アルファクラブ武蔵野株式会社
葬祭部 さがみ典礼 執行役員

大学卒業後、アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部さがみ典礼に就職してから約20年を葬儀場の現場でお客様の悲しみに寄り添ってきました。
現在は、さがみ典礼の責任者として、現場スタッフとともに残されたご家族のみなさまがより安心して葬儀を進めていただけるお手伝いできることを心掛けています。 2004年3月 東邦大学理学部卒業
2004年4月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 入社
2020年1月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 川口支社 支社長
2021年5月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 副本部長
2022年5月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 本部長
2024年5月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 執行役員

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