逆さごとの意味とは?葬儀での逆さごとの背景

逆さごととは?

逆さごと(さかさごと)は、主に葬儀の際に行われる習慣で、通常とは逆の方法で物事を行うことを指します。
この習慣は日本古来から根付いており、死と生を明確に区別するために行われます。
以下では、逆さごとの意味や背景について解説します。

逆さごとの意味と由来

逆さごとは、生と死の区別をつけるための習わしです。
日本では古くから、死は非日常であり、忌み嫌われるものとされてきました。
逆さごとは、死を生とは異なる特別なものとして扱い、その違いをはっきりさせるための方法として生まれました。
この習慣には、故人があの世とこの世の違いで困らないようにという心遣いが込められています。
生と死の世界は正反対であると信じられてきたため、物事を逆にすることで、故人があの世で順応しやすいようにするのです。

具体的な逆さごとの例

逆さごとの具体的な例としては、以下のようなものがあります。

逆さ屏風:
通常は立てる屏風を逆さに立てることで、故人を守る魔除けの意味があります。

逆さ布団:
故人を寝かせる布団の頭と足を逆にすることで、生と死の区別を明確にする。

北枕:
故人の頭を北に向けて寝かせることで、死者の方向を示す。

宗派ごとの解釈

宗派によって、逆さごとの取り扱いは異なります。

神道における逆さごと:
神道では死を穢れとし、死者を敬遠する風習があります。
そのため、神式の葬儀でも逆さごとが用いられ、北枕などが取り入れられています。

浄土真宗における逆さごと:
浄土真宗では、「故人はすぐに成仏する」という教えがあるため、逆さごとは行われません。
生と死を切り離す必要がないと考えられ、生と死の違いを強調する逆さごとの風習は取り入れられていません。

逆さごとの現代的な意義

現代では、逆さごとを行うかどうかは地域や宗派、家庭の方針によって異なります。
逆さごとは必ずしも行わなければならないものではありませんが、故人を偲び、敬意を示す一つの方法として今も続いています。
逆さごとを行うかどうか迷った場合は、菩提寺や親族、葬儀社に相談するのが良いでしょう。

逆さごとは、日本の葬儀文化における重要な習慣の一つであり、生と死の区別をつけるための方法です。その由来や意味を理解することで、故人を偲び、葬儀の儀式に対する理解をより深めることができます。

「逆さごと」として行う儀式

「逆さごと」として行う儀式

葬儀の際に行われる「逆さごと」は、生と死を区別するために、通常とは反対の方法で物事を行う習慣です。以下では、具体的な逆さごとの儀式について解説します。

死装束(しにしょうぞく)

故人に着せる白い着物は死装束と呼ばれます。
通常の着物は右前(右側の襟を左側の襟の上に重ねる)に着ますが、死装束は左前に着せます。
これは、生と死の区別を示すためのものであり、古代には高貴な人が左前で着物を着ていたことが由来とされています。

逆さ屏風(さかさびょうぶ)

故人を安置する際に、枕元に屏風を逆さまに立てることを「逆さ屏風」といいます。
これは、悪霊を追い払い、故人を守るための魔除けの儀式です。

北枕(きたまくら)

仏教の葬儀では、故人の頭を北に向けて安置します。
これは、お釈迦様が亡くなった時の姿勢に由来し、故人が無事に浄土に辿り着くことを祈る意味があります。

逆さ水(さかさみず)

故人の体を清める湯灌(ゆかん)の際、通常はお湯に水を注ぎますが、逆さ水では水にお湯を注いでぬるま湯を作ります。
これも、生と死の区別を示すための逆さごとの一つです。

逆さ着物(さかさきもの)

故人の上にかける着物の襟を足元に、裾を首元にして逆さにかけることを「逆さ着物」といいます。
また、足袋を左右逆に履かせることもあります。

逆さ布団(さかさふとん)

故人を安置する際、布団の上下を逆にしてかけることを「逆さ布団」といいます。
これも、生と死の区別を示すための儀式です。

逆さ柄(さかさがら)

かつて、湯灌で使用する水を川からすくう際に、川上ではなく川下に向かって水をすくうことを「逆さ柄」と呼びました。

夜間の葬儀

現代では昼間に葬儀を行うのが一般的ですが、昔は夜間に葬儀を行うことが多くありました。
これは、あの世とこの世で昼夜が逆転していると考えられていたためです。
夜に儀式を行うことで、故人があの世で迷わずに過ごせるようにとの配慮が込められています。

縦結び(たてむすび)

死装束の紐は通常の蝶結びではなく、縦結びにします。
縦結びは日常生活であまり使用されない結び方であり、生と死を区別するために用いられます。

洗濯物を北向きに干す

亡くなった方の衣服などを洗濯する際、洗濯物を北向きに干す風習があります。
これも逆さごとの一環として行われます。

逆さごとは、生と死の区別を明確にするための習慣であり、葬儀の際にさまざまな形で行われます。
これらの儀式を通じて、故人があの世で迷わずに過ごせるようにとの願いが込められています。

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