「葬儀費用を故人の貯金から支払いたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
葬儀は突然の出来事であり、その費用をすぐに準備するのは経済的負担となることがあります。
特に故人の貯金に頼りたいと考える方にとって、手続きの方法や注意点を理解しておくことが重要です。
本記事では、故人の口座から葬儀費用を引き出す際の具体的な方法や、その際に注意するべきポイントについて解説します。
必要な手続きを事前に把握することで、スムーズに進められるようにしましょう。
この記事を通じて、「故人の貯金を葬儀費用に充てる方法」をしっかり理解し、不測の事態に備えてください。
故人の貯金を葬儀費用に当てる際の注意点
「故人の貯金を葬儀費用に当てたい」と考える方は少なくありません。
葬儀には数十万から数百万円の費用がかかり、その経済的負担はご遺族にとって大きなものです。
故人の貯金を葬儀費用に充てることで、その負担を軽減することができますが、実際に引き出して利用するには注意点と適切な手続きが必要です。
結論として、故人の貯金を葬儀費用に充てることは可能ですが、銀行口座は死亡が確認されると凍結され、手続きなしに引き出すことはできません。
相続手続きや銀行の規定に従い、必要書類を整えて手続きを進めることが求められます。
また、手続きの過程で発生する注意点も理解しておくことが重要です。
重要な4つのポイント
口座凍結に注意
故人の貯金を葬儀費用に利用する際、最も注意が必要なのは、銀行口座の凍結です。
銀行は名義人の死亡を知ると、預金口座を凍結します。凍結後は、預金の引き出しや振り込みなどができなくなります。
このため、故人の口座を使う予定がある場合は、凍結前に必要な資金を準備しておくことが重要です。
ただし、この際には他の相続人とのトラブルを防ぐため、事前に同意を得ておくことが望ましいです。
仮払い制度の活用
口座が凍結された後でも、一定の手続きを行えば「仮払い制度」によってお金を引き出せる場合があります。
この制度を利用するには、必要書類を提出し、通常1週間から1ヶ月ほどの時間がかかることがあります。
葬儀費用はすぐに必要になるため、手続きにかかる時間も見越して準備を進めましょう。
相続放棄への影響
葬儀費用を故人の貯金でまかなった場合でも、相続放棄ができることは法律で認められています。
しかし、注意が必要なのは、葬儀費用として使う金額や内容です。
もしも過度に高額な葬儀を行い、相続財産を大幅に使ってしまった場合、債権者に「財産を不当に使用した」と見なされ、相続放棄が認められないケースもあります。
必要最低限の葬儀内容で支出を抑えることが大切です。
証明書類の保管
故人の貯金を葬儀費用に充てた際は、何にいくら使ったのかを証明する領収書や明細書を必ず保管しましょう。
これにより、他の相続人とのトラブルを防ぐだけでなく、相続税の控除を受ける際の証拠としても役立ちます。
領収書がもらえない場合は、日付や金額、使用目的をメモしておくとよいです。証拠が不足すると後々問題になる可能性があるため、適切に管理しましょう。
以上を踏まえ、故人の貯金を葬儀費用に使用する際は、事前に注意点を把握してスムーズに手続きを進めるようにしてください。
故人の貯金を引き出すのに必要な手続き
「故人の貯金を引き出すのに必要な手続き」は、葬儀費用をスムーズに準備するために知っておくべき大切なポイントです。
銀行口座が凍結されると自由にお金を引き出すことができなくなりますが、いくつかの方法を通じてお金を引き出せます。
以下では、それらの手続きを詳しく解説します。
仮払い手続きを行う
仮払い手続きは、遺産分割の協議が終わっていない場合でも、一定額を引き出すことができる方法です。
相続人全員の同意は不要で、単独で手続きを進められるため、急ぎで葬儀費用を用意したい場合に有効です。
ただし、引き出せる金額には制限があります。
払い戻し金額の上限:
1つの金融機関につき150万円、法定相続分の3分の1まで。
例)故人の預貯金が600万円、相続人が2人の場合、最大で100万円まで引き出せます。
必要書類:
・故人の出生から死亡までの戸籍・除籍謄本
・貯金を引き出す相続人の戸籍謄本
・印鑑証明書
・銀行指定の申請書
手続き完了には1週間から1ヶ月ほどかかることが一般的です。
事前に銀行に詳細を確認し、早めに手続きを開始することをおすすめします。
相続手続きを行い口座凍結を解除する
相続手続きを経て、銀行口座の凍結を解除し、自由にお金を引き出すこともできます。
この手続きは、遺産分割が終了し、誰が何を相続するかが確定している必要があります。
口座凍結解除の手続きには以下の書類が必要です。
・故人の出生から死亡までの戸籍・除籍謄本
・死亡確認書類(住民票の除票、死亡診断書など)
・相続人全員の印鑑証明書
・遺言書または遺産分割協議書
・銀行指定の書類
この方法では、書類を提出してから1〜2週間ほどでお金を引き出せるようになります。
補足:手続きにかかる注意点
手続きには時間がかかるため、早めに行動を開始することが重要です。
葬儀費用は短期間で用意する必要があるため、必要書類の準備や手続きの流れを事前に把握しておくと良いでしょう。
また、他の相続人とトラブルにならないよう、引き出す際は事前に合意を得ることが推奨されます。
さらに!資料請求された方にもれなく
アルファクラブ武蔵野株式会社
葬祭部 さがみ典礼 執行役員
大学卒業後、アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部さがみ典礼に就職してから約20年を葬儀場の現場でお客様の悲しみに寄り添ってきました。
現在は、さがみ典礼の責任者として、現場スタッフとともに残されたご家族のみなさまがより安心して葬儀を進めていただけるお手伝いできることを心掛けています。
2004年3月 東邦大学理学部卒業
2004年4月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 入社
2020年1月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 川口支社 支社長
2021年5月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 副本部長
2022年5月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 本部長
2023年9月 (有)中央福祉葬祭 取締役(アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 本部長兼務)
2024年5月 アルファクラブ武蔵野(株)葬祭部 執行役員