無宗教葬式とは?流れ、費用、お坊さんの必要性などを解説

無宗教葬儀は、故人の遺志に沿い、遺族の想いを大切にした葬儀の一つです。
この葬儀形式は、特定の宗教的な儀式に縛られず、故人の人生や性格を反映した形で行うことが可能です。
しかし、宗教葬に比べて一般的な流れや規則がないため、無宗教葬儀をどのように進めていけば良いのか、特に初めて経験する方々にとっては多くの疑問や不安があるかもしれません。

この記事では、無宗教葬儀の基本から始め、お坊さんの必要性、葬式の流れ、費用の相場、さらに家族葬やお別れ会といった特定の形式についても触れていきます。
また、無宗教葬儀における香典の取り扱いや、参列する際のマナーについても詳しく解説し、無宗教葬儀を計画している方々や参列予定の方々が心から故人を偲び、適切に送り出せるようにサポートします。
無宗教葬儀が初めての方でも、この記事を読めば、無宗教葬儀に対する理解を深めていただければ幸いです。

無宗教葬儀とは?

無宗教葬儀とは?

無宗教葬儀とは、故人の人生を反映し、遺族の希望に基づいて行う、形式にとらわれない葬儀のことです。
この葬儀形式は、特定の宗教や宗派に依存することなく、個々のニーズに合わせた自由度の高いセレモニーを実現します。
無宗教葬儀は「自由葬」とも呼ばれ、故人が生前愛した音楽を流したり、大切な映像を映したりするなど、故人の趣味や性格を反映した独自の儀式を取り入れることができます。

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日本では、多くの人が無宗教的な考え方を持っていますが、これは神仏の存在を否定しているわけではなく、単に特定の宗教に深く帰依していないという意味合いが強いです。
無宗教葬儀は、故人や遺族が宗教的な要素にこだわらず、故人の生き方や思い出を尊重し、家族や友人が心から故人を偲べる場を提供します。

このような葬儀では、僧侶による読経や焼香といった宗教的な儀式は一般的に含まれませんが、必要に応じてこれらの要素を取り入れることも可能です。
つまり、無宗教葬儀は故人の意志や遺族の希望に応じて、柔軟に内容を調整できるのが最大の特徴です。
また、家族葬の形式を取り入れることも多く、親しい人たちだけで故人を静かに送ることができます。
近年、日本人の葬儀に対する考え方が多様化しており、無宗教葬儀はその選択肢の一つとして認識されつつあります。

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無宗教葬儀の流れの例

無宗教葬儀の流れの例

無宗教葬儀は、宗教的な儀礼や慣習にとらわれず、故人の個性や遺族の願いを反映した形で行われるため、一つの決まった流れは存在しません。
しかし、一般的な葬儀の枠組みを参考にしつつ、故人らしさを表現する要素を取り入れることが多いです。
ここでは、無宗教葬儀の一般的な流れの例をご紹介します。

1.参列者の入場:
まず、参列者が葬儀会場に入場します。この際、故人の好きだった音楽をBGMとして流すこともあります。

2.開式の言葉:
司会者が葬儀の開始を宣言し、故人の人生を振り返る簡単な挨拶を行います。

3.黙祷:
お経や祈りの代わりに、故人を思い、黙祷を捧げます。

4.献奏:
故人の好きだった音楽を演奏することで、その人の生涯を偲びます。生演奏やCDの再生が一般的です。

5.経歴紹介:
故人の経歴や生前のエピソードを紹介し、故人との思い出を共有します。

6.スライドショーまたはビデオ上映:
故人の写真や動画を使い、故人の生涯を振り返ります。
これによって、故人との思い出を視覚的に共有することができます。

7.弔電の紹介:
届いた弔電やメッセージを読み上げることで、故人を偲ぶ人々の思いを伝えます。

8.感謝の言葉:
遺族代表が参列者に対して感謝の言葉を述べます。これは、葬儀への参加と故人への追悼に対する感謝を表す重要な瞬間です。

9.献花:
参列者が順番に花を供えます。これは、無宗教葬儀における焼香の代わりとなります。

10.お別れの時間:
参列者が故人と最後のお別れをします。この時、個々の思い出やメッセージを心の中で故人に伝えることができます。

11.閉式の言葉:
司会者が葬儀の終了を宣言し、参列者に対して閉会の挨拶を行います。

12出棺:
故人の遺体を葬儀会場から火葬場へと移動します。

13.会食:
火葬後、参列者が集まって故人を偲ぶ会食を行うこともあります。この時、親しい人々が故人の思い出を語り合い、慰め合う機会となります。

これらの流れはあくまでも一例です。
無宗教葬儀は、故人の遺志や遺族の希望に応じて自由にアレンジすることが可能です。
重要なのは、故人の人生を尊重し、その人らしいお別れの時間を作ることです。

無宗教葬儀の費用について

無宗教葬儀の費用について

無宗教葬儀における費用は、宗教的な儀式や慣習に左右されず、故人や遺族の希望に合わせて自由に決められるため、葬儀の内容によって大きく異なります。
無宗教葬儀の最大の特徴は、僧侶や神職などの宗教者を招かないため、お布施や戒名料などの費用が発生しないことです。
これにより、伝統的な宗教式葬儀に比べて、一般的には費用を抑えることが可能です。
しかし、費用が安くなると一概に言えるわけではありません。
無宗教葬儀であっても、葬儀場や火葬場の使用料、葬儀スタッフの人件費、棺や遺影写真、会葬者への飲食提供など、基本的な葬儀の費用は発生します。
また、故人の趣味や遺族の希望に基づく特別な演出(例えば、生演奏やビデオ上映など)を取り入れる場合、それらに関わる追加の費用も考慮する必要があります。

無宗教葬儀の費用を計画する際のポイント

基本的な葬儀のコスト:
葬儀場の使用料、棺代、火葬場の使用料、葬儀スタッフの人件費など。

追加の演出コスト:
特別な装飾、音楽演奏、ビデオ撮影・上映など、故人の人生を偲ぶための特別な演出には追加費用がかかることがあります。

会葬者への配慮:
飲食の提供や返礼品など、会葬者に対する配慮も予算に含める必要があります。

無宗教葬儀は、予算に応じて柔軟に計画できるのが魅力です。
故人の意志や遺族の希望を反映しつつ、経済的な負担を考慮して、最適な葬儀を実現することが大切です。
無宗教葬儀においても、葬儀社との相談を通じて、予算内で最適な葬儀プランを立てることが可能です。
葬儀社には、無宗教葬儀の経験や知識があるところを選ぶと良いでしょう。
また、個人で葬儀を計画する場合は、必要なサービスとその費用を事前にリサーチし、適切に予算を管理することが重要です。

無宗教葬儀のメリット・デメリット

無宗教葬儀のメリット・デメリット

無宗教葬儀のメリット

無宗教葬儀のメリットは、故人の人生や遺族の希望を反映させやすい点にあります。
伝統的な宗教儀礼にとらわれることなく、より個人的で意味深い葬儀を実現できます。

主なメリットは以下の通りです。

経済的な負担の軽減:
無宗教葬儀では僧侶や神職などの宗教者を招かないため、お布施や戒名料などの費用が発生しません。
これにより、葬儀全体の費用を抑えることが可能です。

葬儀の内容の自由度:
無宗教葬儀は、故人の趣味や人生を反映させた葬儀を企画しやすい点が大きなメリットです。
故人が愛した音楽の演奏、趣味や業績に関連する展示、家族や友人によるスピーチなど、故人らしい演出を取り入れることができます。

宗教的な制約のない包括性:
家族間で異なる宗教を信仰していたり、宗教に帰依していない場合にも、無宗教葬儀は適しています。
宗教的な理由で参列が難しい人も、無宗教葬儀なら問題なく参加できます。
これにより、故人との関係性や個人的な信仰に関係なく、多くの人が故人を偲び、弔うことができます。

多様な価値観への対応:
現代社会では、さまざまな文化背景や価値観を持つ人々が共存しています。
無宗教葬儀は、このような多様性に対応しやすく、故人や遺族の個々の希望に沿った形での葬儀を実現することができます。


無宗教葬儀の柔軟性と包括性は、故人を尊重し、その人らしい葬儀を行いたいと考える遺族にとって大きな利点となります。
また、宗教的な儀礼に代わる新しい形の弔いの形を探している人々にとっても、無宗教葬儀は魅力的な選択肢と言えるでしょう。

無宗教葬儀のデメリット

無宗教葬儀には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。
これらのデメリットを理解し、事前に対策を講じることで、無宗教葬儀をよりスムーズに進めることができます。

理解の不足による反対や違和感:
無宗教葬儀は伝統的な葬儀に比べると一般的ではないため、親族や友人から理解を得にくいことがあります。
これは特に、宗教的な儀式や伝統に重きを置く人々の間で顕著になる可能性があります。
事前に無宗教葬儀の意図や形式を説明し、理解を求める必要があります。

準備の負担:
宗教的な儀式がないため、葬儀の内容をゼロから考える必要があります。
これにより、遺族は葬儀の準備において追加の労力や時間を費やす必要が生じます。
葬儀の内容や流れを事前に計画し、必要に応じて葬儀社や専門家のアドバイスを求めることが重要です。

菩提寺との関係:
家族に菩提寺がある場合、無宗教葬儀を行うと、後の納骨や法要において問題が生じることがあります。
これを避けるためには、事前に菩提寺と相談し、無宗教葬儀に対する理解を求めるか、他の納骨の選択肢を検討する必要があります。

供養や追悼の機会の不足:
宗教的な儀式がないため、故人を偲ぶための定期的な供養や追悼の機会が自動的には設けられません。
遺族は故人を記憶にとどめ、偲ぶための独自の方法や機会を考える必要があります。
これは、終活の一環として、事前にエンディングノートに供養の希望を記載することで、遺族に対するガイドラインを提供することができます。

無宗教葬儀を選択する際は、これらのデメリットを事前に理解し、適切な対策を講じることが重要です。
また、葬儀の計画においては、遺族の感情的な負担を考慮し、可能な限りサポートを受けることが望ましいでしょう。
無宗教葬儀は、故人の生きた証を称え、その人らしい別れを提供するための一つの方法ですが、それには適切な準備と理解が不可欠です。

無宗教葬儀後の供養について

無宗教葬儀後の供養について

宗教葬儀を行った後の供養に関しては、伝統的な宗教葬儀と異なり、さまざまな選択肢があります。
無宗教葬儀の場合、特定の宗教的な儀式に縛られることなく、故人の遺志や遺族の希望に基づいた供養方法を選ぶことができます。

永代供養

永代供養は、寺院や霊園などが遺骨を管理し、代わって供養を行う方法です。
宗旨・宗派に関わらず利用でき、長期的なお墓の管理や後継者の心配が不要です。
経済的な負担の軽減と管理の便利さから、近年では多くの人に選ばれています。
特に、お墓の維持や管理に負担を感じる遺族にとって適した選択肢となります。

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海洋散骨

海洋散骨は、故人の遺骨をパウダー状に加工し、海に散布する方法です。
自然への還元を望む人に適しており、宗教的な制約から自由な形で故人を偲ぶことができます。
費用面でも経済的で、維持管理の手間もかかりません。
故人が海や自然を愛した場合、その意志を尊重する方法として選ばれることが多くあります。

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宗教を問わない墓地の選択

宗派に関わらず利用できる墓地や霊園も存在します。
無宗教葬儀の後、納骨する場所としてこのような施設を選ぶことで、宗教的な制約に囚われることなく故人を供養できます。

公営の墓地

公営の墓地は、宗教や宗派を問わないため、無宗教葬儀を行った方でも利用可能です。
予算を抑えたい遺族にとっても適した選択肢となり、多くの自治体で運営されています。

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無宗教葬儀後の供養方法は、故人の意志や遺族の状況によって異なります。
自由度が高いため、故人を偲ぶ形式を自由に選択できることが大きなメリットです。
しかし、一方で、供養の形式を一から決定する必要があるため、事前にしっかりと計画を立てることが重要です。
また、伝統的な宗教葬儀に比べて、無宗教葬儀では一般的な法要や追悼儀式が省略されることが多いため、故人を偲ぶための別の機会を設けることも検討すると良いでしょう。
無宗教葬儀後の供養は、故人の生前の希望や遺族の価値観を反映させる絶好の機会です。
遺族や親族が心から納得し、故人を偲ぶことのできる供養方法を選ぶことが、無宗教葬儀の真髄と言えるでしょう。

無宗教葬儀に参列する際のマナー

無宗教葬儀に参列する際のマナー

無宗教葬儀に参列する際、宗教的な儀式に縛られることはありませんが、基本的なマナーは守ることが重要です。
無宗教葬儀に参列する際の主要なマナーを紹介します。

服装のマナー:
無宗教葬儀では、略式の喪服を着用するのが一般的です。
男性は黒のスーツ、白のワイシャツ、黒のネクタイ、ベルト、靴、靴下を着用します。
女性は黒のワンピースやアンサンブル、黒の靴とストッキングを着用します。
しかし、「平服」と指定されている場合は、ダークカラーのスーツや地味な色の服装を選ぶと良いでしょう。

香典のマナー:
香典は、遺族が辞退していない限り、一般的な葬儀と同様に準備します。
一般的な不祝儀袋に入れ、「御霊前」や「御花料」といった宗教に関係のない表記を用います。
香典の金額は葬儀の規模や自身の関係性を考慮して決めます。

献花のマナー:
無宗教葬儀では、焼香の代わりに献花を行うことが一般的です。
献花時は、故人の遺影に向かって一礼し、祭壇に花を置きます。
その後、改めて故人に黙祷を捧げます。

無宗教葬儀に参列する際は、故人や遺族への敬意を忘れずに、これらのマナーを遵守することが大切です。
無宗教葬儀は、故人の個性や遺族の希望に沿った形で行われるため、葬儀の事前情報や遺族の指示に注意を払うことも重要となります。

無宗教葬儀に関するよくあるご質問

無宗教葬儀に関するよくあるご質問

Q.無宗教の通夜に参列する際、数珠を持って行ってもよいですか?

基本的な持ち物は、一般的な葬儀に持参するものと同じで問題ありません。
無宗教葬儀は焼香をおこなわないケースが多いため、数珠が不要な場合もあります。

Q.無宗教葬儀ではどのような内容の儀式がありますか?

無宗教葬儀は自由度が高く、従来の宗教的な要素を完全に省くか、一部に取り入れることも可能です。
例えば、

  • 僧侶に読経をしてもらうような部分的な宗教儀式を組み入れる。
  • 故人の好きだった音楽を生演奏したり、合唱を行うこと。(参列者が演奏を担当できない場合は、プロの演奏家を手配することも可)
  • 故人との思い出を振り返るために、スライドショーや動画を使った追悼す。
  • 故人の趣味や特別な品々を展示して、参列者との思い出を共有すること。

などがあげられます。

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