家族葬での供花(きょうか・くげ)の贈り方:親族の相場、辞退の対応について

家族葬は、故人との緊密なつながりを大切にする葬儀の形態です。
葬儀において、供花は故人への敬愛と追悼の象徴として重要な役割を果たします。
しかし、家族葬における供花の取り扱いは、伝統的な葬儀とは異なる側面が多々あり、供花を贈る際の相場、適切なタイミング、マナーや、時には供花の辞退への対応など、知っておくべきポイントは数多く存在します。

この記事では、家族葬における供花に関する疑問や不安を解消するためのガイドとして、親族の立場からの相場やマナー、供花辞退時の適切な対応などを詳細に解説します。

家族葬と供花(きょうか・くげ)の役割

家族葬と供花(きょうか・くげ)の役割

家族葬の概念とその背景

家族葬は、故人と親しい家族や親族、時には近い友人のみを招待して行う小規模な葬儀です。
この形式は、故人との密接な関係を大切にし、より個人的かつ内省的な別れを重視する現代の傾向から生まれ、葬儀の費用や手間を抑えることができるという実用的な側面も持ち合わせています。
また、故人の最後の意志や遺族の意向により、葬儀の規模や形態を自由に決めることが出来るのも特徴です。

家族葬における供花の意味

供花は、故人への敬意を表し、葬儀の場を荘厳するために用いられる花です。
家族葬において供花は、故人との親密な関係を象徴すると同時に、遺族への慰めや支持の意を表現する手段となります。
しかし、家族葬の場合、供花の取り扱いは通常の葬儀と異なる場合があり、故人や遺族の希望によっては供花を辞退することも少なくありません。これは、参列者に金銭的な負担をかけたくないと考えている方が少なくないためです。
そのため、供花を送る際には故人や遺族の意向を尊重し、適切なマナーを心得ることが重要です。

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供花(きょうか・くげ)を贈る人とその役割

供花(きょうか・くげ)を贈る人とその役割

家族葬において、供花を贈る人々の役割は、故人との関係性に深く根差しています。
供花は故人への最後の敬意表明であり、追悼の意を表す重要な要素です。
この段落では、供花を贈る人とそれぞれの役割について解説していきます。

供花を贈る人(誰が贈るのか?)

遺族・親族:
家族葬における供花の贈り手として考えられる親族の範囲は、故人に最も近しい直系の親族兄弟姉妹祖父母、さらに叔父叔母や従兄弟義理の親族などが含まれます。
通常、遺族や親族は「喪主」、「兄弟一同」、「孫一同」、「親族一同」、「○○家一同」といった札名で共同で供花を出すのが一般的です。
斎場にスペースが許す限り、個々の名前や連名で複数の供花を手配することも可能です。
喪主が通常供花を出さない場合でも、特別に出したい意向があれば事前に相談してみましょう。

家族葬や小規模なお葬式では、左右対称に2基の供花を設置するケースが増えています。
喪主や遺族は、供花以外にも約10,000円程度の供物代が必要になることもありますので、
供花と供物に関わる費用は、お葬式の予算計画において考慮しておきましょう。

※地域によって見解が異なることもあります。

友人・知人・同僚:
家族葬で供花を贈る際、個人名や連名での手配は一般的ですが、会社や団体など複数名で手配する事もあります。この場合、「○○会社 ○○部 有志一同」や「○○同好会一同」といった団体名を明記するのが一般的です。
連名で供花を贈る際は、名前の可読性を保つために3~4名程度に限定し、5名以上の場合は、簡潔に「一同」という言葉を使用します。

また、会社や組織から供花を贈る場合、特に上司との連名では、肩書や階層を意識した配置が必要で、
通常、右側に目上の人の名前を配置するのがマナーです。肩書きの表記にも細心の注意を払い、間違いがないようにしましょう。

会社や団体:
企業や団体が家族葬に供花を贈る際、費用を負担し、会社名や団体名を含む札名を用いるのが一般的です。役職や代表者の名前も明記することがあります。
会社名や団体名が長い場合は、略号(例えば「(株)」など)を使用したり、社名のみの記載に留めたりすることも可能です。
連名で個人名を列記することもありますが、札名の文字サイズが小さくなる事を考慮しましょう。

供花(きょうか・くげ)の費用と相場

供花(きょうか・くげ)の費用と相場

家族葬における供花の費用と相場は、供花のサイズや種類、出す人の関係性によって変わります。
一般的な供花の相場は、1基あたり約7,500円から20,000円程度です。
供花を出す際の基数(基)は、通常1基または2基(1対)となり、斎場のスペースや家族葬の規模によって異なる場合があり、家族葬では、スペースの制約から1基だけを贈ることが一般的です。

供花の費用相場は目安であり、ご予算に合わせた選択が重要です。
大きさやボリュームが大きい高価な供花もありますが、家族葬の場合は遺族への配慮を考慮し、適切なサイズと価格の供花を選ぶことが大切です。
また、供花には様々なタイプがあり、スタンドタイプが一般的ですが、フラワーアレンジメントやかご盛りなど、安価な選択肢もあります。

供花を複数人で共同で出す場合は、予算や札名について事前に話し合い、適切な手配を行いましょう。
供花は見栄を張るものではなく、故人や遺族への思いやりを伝える手段として、ご予算や家族葬の規模を考慮して選択しましょう。

お花代について

家族葬におけるお花代は、故人に対する敬意を表すために贈られることがありますが、必須ではありません。
お花代とは、実際の花ではなく、遺族が葬儀に相応しい花を選ぶための金銭を指します。
この金銭は、香典とは別に、もしくは香典の代わりとして贈られることもあります。

お花代の包み方には、宗派に応じたマナーが存在します。
仏式の場合、「御花代」と書かれた不祝儀袋を使用し、神式やキリスト教式の場合は封筒に「御花料」と記載します。
名前は封筒の中央より下に書き、連名の場合は目上の人が右側にくるようにします。

喪家が供花や香典の辞退をしている場合は、お花代の贈り物も避けましょう。
また、金額は相場を考慮し、過度に高額なものは控えるべきです。
事前に故人の宗派を確認し、不明な場合は「御霊前」と記載しておくことが無難です。

お花代の相場

主な相場は、以下の通りです。

関係性費用相場
両親3万円~10万円
兄弟姉妹3万円~5万円
叔父・叔母1万円~3万円
仕事関係者・友人・知人5,000円~1万円
故人との関係が近いほど、お花代も高額になります。
※お花代の相場は、地域によって異なることもありますので、事前に周囲に相談しておくことをおすすめします。

供花(きょうか・くげ)を贈るタイミングと手配する方法

供花(きょうか・くげ)を贈るタイミングと手配する方法

供花の贈る際の適切なタイミングと手配方法の解説します。

供花を贈るタイミング

葬儀日程との調整:
供花は葬儀や告別式に使用されるため、葬儀の日程に合わせて送ることが一般的です。

葬儀前日の配送:
多くの場合、供花は葬儀前日に届けられます。
遺族は供花を葬儀前に確認し準備ができます。

葬儀当日の配送:
場合によっては、供花を葬儀当日に届けることもありますが、これは葬儀会場の設定や時間制限を考慮する必要があります。

供花の手配方法

インターネット:
インターネットを利用して手軽に供花を注文できます。
事前に葬儀の詳細を伝え、葬儀会場に直接配送することが可能です。

花屋:
地元の花屋を通じて手配することも一般的です。
葬儀の日時と予算を伝え、準備が間に合うように依頼します。

葬儀社:
一番安全な方法は葬儀社を通じて供花を手配することです。
葬儀社は葬儀全体の状況を理解しており、適切な供花を提供できます。
供花を手配する際は、遺族の意向に注意し、葬儀の規模や故人との関係に合わせた選択を心掛けましょう。


供花の申し込みには、斎場名、喪家名、葬儀の日時などの情報が必要です。
支払い方法や札名の表示にも注意し、事前に準備を整えておくことが重要です。

家族葬での供花(きょうか・くげ)に関してのマナーと注意点

家族葬での供花(きょうか・くげ)に関してのマナーと注意点

家族葬において供花を贈る際には、故人への敬意と遺族の気持ちを考慮したマナーや注意点が重要です。
この段落では、家族葬で供花を贈る際のマナーや注意点を紹介します。

家族葬では供花は辞退される場合がる事の注意

家族葬では、供花や香典を一切辞退しているケースがあります
家族葬のお知らせの際にその旨が書かれていますので、しっかりと確認しましょう。

ごく一部の人たちだけで行うのが家族葬です。
供花や香典などを受け取った場合、喪家からのお返しが必要になるので手間になってしまいます。
葬儀にかかる費用を抑える意味でも、家族葬が選ばれていることがありますので、金銭的な負担をかけさせないという意味でも注意が必要です。

供花のマナーとエチケット

供花は故人への敬意と哀悼の意を示すものです。
以下に、注意点を紹介します。

供花の選び方:
故人や遺族の好み、宗教や地域の慣習を考慮して、適切な花を選びます。
白や淡い色の花が一般的ですが、地域や宗教により異なることもありますので不安な場合は事前に周囲に相談し確認してみましょう。

喪主への直接問い合わせは避ける:
喪主や遺族は哀悼の中にあるため、供花に関する問い合わせは葬儀社へ行います。

適切な花の種類とサイズ:
家族葬では小規模なため、適切なサイズの花を選びます。大きすぎる花は避けましょう。

招待されていない場合の配慮:
家族葬に招待されていない場合、供花の贈り物は控えることが望ましいです。

供花のタイミング:
通夜の前日に届けることが一般的ですが、葬儀当日に届ける場合もあります。

供花を贈る際には、故人との関係、遺族の意向、葬儀の形式などを考慮し、適切なマナーを守ることが重要です。故人への最後の敬意として、心を込めて供花を選び、贈りましょう。

まとめ

家族葬での供花の贈り方について、本記事ではそのマナーについて解説しました。
家族葬における供花は、故人との関係性、遺族の意向、そして葬儀の形式を考慮し、慎重に手配する必要がありますので、再度重要な点をまとめます。

遺族の意向の確認:
供花を贈る際は、まず遺族の意向を尊重することが最も重要です。
供花辞退が示されていない場合でも、その贈り物が遺族の負担にならないかを考慮しましょう。

供花の手配方法:
家族葬の場合、供花は葬儀社を通じて手配するのが一般的です。
葬儀社は葬儀のテーマや規模に合わせた供花を提供できます。
また、供花の統一感を保つために、喪主が参列者の希望を取りまとめることもあります。

マナーと敬意:
供花は故人への敬意と哀悼の表現であり、個々の趣味よりも葬儀の趣旨を重視することが大切です。
供花の種類や色にも配慮し、独りよがりにならないようにしましょう。

長期的な関係性の維持:
供花を贈ることができなかった場合でも、故人や遺族への長期的な思いやりを示す機会は多くあります。
法要やお仏壇、お墓へのお供えなど、仏事ごとに故人を偲ぶことができます。

供花は、家族葬において故人への最後の敬意を示す重要な手段です。
この記事を参考にして、適切なマナーで心温まる供花を贈り、故人との最後のお別れに役立てていただければ幸いです。

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