供花の基礎知識

供花とは?意味と読み方

供花とは、仏様や亡くなられた人に供える花のことです。「きょうか」と読みます。「くげ」と読まれる場合もあるものの、読み方としては「きょうか」が一般的でしょう。葬儀では、祭壇の両脇に飾る供花がよく知られているところです。

仏教では、お仏様をお祀りする場所を飾り整えることを「荘厳(しょうごん)する」と言います。荘厳において重要視されるもののひとつが供花です。一般的慣習としては、亡くなられた人の霊や遺族の気持ちを慰めるため、お別れの気持ちを表すために供花が用意されています。

供花の数え方にご注意を

供花は、1基、2基、3基……と「基(き)」が数える際の基本的な単位となります。籠花(かごばな)スタイルの供花では、「籠(かご)」が単位として使われるケースもあるようです。

思い違いでトラブルが起こりがちなのが、1対、2対のように単位として「対(つい)」を付ける場合です。1対は、同じ供花が2基の場合に用いる単位となります。たとえば「喪主」という名札の供花を2基飾る場合です。この場合、「喪主の供花を1対」のように表現します。供花を注文する際には、1基と1対を混同しないよう注意しましょう。

供花の料金相場と種類

供花の料金は、7,000円から2万円が相場です。料金には、使われる花の種類や量、供花の大きさが特に影響します。

種類について葬儀では、籠花(かごばな)、スタンドフラワー、アレンジメントフラワーと呼ばれるスタイルの供花が飾られるケースが多数です。

そのほか、葬儀まで亡くなられた人の枕元に供える枕花(まくらばな)、葬儀時に会場の外に並べ立てる花輪(はなわ)も供花の一種です。

マナー違反となる花の種類

葬儀など弔事の場において、供花には相応しくないとされる花もあります。下記は、その一例です。

  • 棘のある花……バラ、アザミ、ブーゲンビリア、サボテンなど
  • 毒のある花……トリカブト、ジギタリス、イヌサフラン、彼岸花など
  • 匂いの強い花、匂いの良くない花……スイセンの一部、ノースポールなど

亡くなられた方が、上記に該当する花を好きだった場合はどうすれば良いでしょう。たとえばバラであれば、棘を取った状態で供花に使うこともあります。もし、亡くなられた人が好きだった花を使ってほしい場合には、葬儀社や生花店にマナー上問題ないかも確認しつつ希望を伝えることがおすすめです。

供花の名札と順番について

供花の名札と順番について

供花には、それぞれ供花を出した人の名前を記した名札を立てて、祭壇の両脇に飾ることが通例です。名前はフルネームで記載します。自分で札に名前を書くのではなく、通常は葬儀社や生花店が名前を記載した名札を用意することが一般的です。

供花を並べる順番にも一定の決まりがあります。供花は「喪主または施主を筆頭に、そのあとは亡くなられた方との血縁関係が近い順、関係性が深い順や肩書順に並べる」ことが基本です。

祭壇に対峙して右側のもっとも内側が1番目、次に祭壇の左側のもっとも内側が2番目、次は祭壇の右側に戻り1番目の供花の右隣り…といった具合に交互に並べていきます。なお、供花に名札を立てるのではなく、芳名板を使用するケースもあるでしょう。芳名板に向かってもっとも上段で、もっとも右端から名札を並べていきます。

ただし、会場外に飾る花輪は、亡くなられた人との関係性、血縁関係の遠い人から順番に並べる風習あるので覚えておくとよいでしょう。

連名や一同で供花を送るときの名札

名札に名前を書くスペースは限られていて、1枚の札にあまりにも多人数の名前を記載すると判読しにくくなってしまうことが考えられます。そこで用いるのが連名(れんめい)や一同(いちどう)を用いた名札の表記です。

連名では、判読しやすさを考慮し2人~4人とし、各人フルネームを記載します。それ以上の人数であれば、「〇〇一同」として供花を出すとよいでしょう。

供花の注文方法も知っておこう

供花の注文先は、主に葬儀社か生花店です。まずは葬儀社か生花店に電話をして供花を注文したい旨を伝えましょう。下記は、注文時に確認・打ち合わせする項目の例です。

  • 葬儀を出す喪主、亡くなった人の名前
  • 供花を出す場所(葬儀会場など)、日時
  • 名札に記載する名前
  • 供花の種類や数量(1基、1対など)
  • 請求先、支払方法
  • 何かあったときの連絡先

特に名札に記載する名前について、字の間違いがないか十分に確認しましょう。同じ読みでも、たとえば「高橋」という苗字であれば、「高橋」なのか「髙橋」なのかという違いがあります。

注文先には葬儀社と生花店がありますが、可能な限り遺族から葬儀を受託した葬儀社に注文することをおすすめします。なぜならば、遺族と葬儀の詳細について打ち合わせを済ませた葬儀社のほうが、宗教宗派、地域性、遺族の希望に沿った供花を用意しやすいこと、祭壇と統一感のある供花を提供することができるからです。

自宅に送る?葬儀場に送る?

葬儀会場で飾る供花は、葬儀会場に直接送るよう手配することが一般的です。自宅に送るケースとして考えられるのは、自宅で葬儀が営まれる場合、供花でも葬儀を迎える前の枕花を送る場合でしょう。どこに供花を送るべきか分からないときは、注文先の担当者に相談することもひとつの手です。

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