弔辞・献杯などの喪主の挨拶

葬儀で挨拶をする場面とは

葬儀で挨拶をする場面とは

葬儀では人前に立ち、挨拶をしなければならない場面がいくつかあります。下表は、葬儀における代表的な挨拶の場面と、誰が挨拶をするのかを表したものです。

挨拶する場面挨拶をする人
1.通夜式の開式時か閉式時喪主または施主
2.葬儀・告別式での出棺前喪主、施主、遺族親族の代表者のいずれか
3.精進落とし開始時喪主または施主
4.精進落としの献杯時親族内の年長者、本家の家長、組内や隣組の長……等々
5.精進落とし終了時喪主または施主

宗教宗派、地域、遺族の希望、葬儀の形式や規模などによって、挨拶の有無やタイミングは変わることがあります。同様に、挨拶をする人も変わることがありますので、実際には葬儀社スタッフと打ち合わせしながら、状況に合わせた対応をしていきましょう。

挨拶するときのチェックポイント

挨拶するときのチェックポイント

深い悲しみ、普段と異なる雰囲気のなかであっても、挨拶をする際には心得ておきたいマナーや注意点があります。

  • 簡潔に述べることが肝心です。葬儀や精進落としの進行に遅れが生じることを避けるためにも、挨拶は時間にして2分~3分ほどにまとめるとよいでしょう。故人に関するエピソードや自分の想いを盛り込んでも良いですが、あまり長くならないよう気をつけましょう。
  • 原稿を読みながらでもOKです。挨拶の内容を記載した文書を手に持ち、読みながら挨拶をしてもマナー上の問題はありません。
  • たびたび、くれぐれも、苦しむ、迷う、などの忌み言葉は、弔事の場で避けることが適切です。
  • 司会者から紹介が無かった場合には、会葬者の顔ぶれに応じて、挨拶時に自分の氏名および故人との関係性を述べたほうが良いケースがあります。

【文例1】通夜式の開始時か終了時の挨拶

通夜式では、参列者に対する御礼の挨拶をすることがあります。

遺族親族を代表し、一言ご挨拶申し上げます。私は故人の妻〇〇〇〇でございます。

本日は、〇〇〇〇の通夜式にご会葬くださり、そして、ご丁重なるご厚志を賜り、ありがとうございました。

夫が生前、皆様に賜りました数々のご厚誼につきましても、深く感謝申し上げます。

ささやかではございますが、会食のお席をご用意しておりますので、どうぞお立ち寄りいただければと存じます。

以上、簡単ではございますが御礼のご挨拶とさせて頂きます。

本日は誠にありがとうございました。

【文例2】葬儀・告別式での出棺前の挨拶

葬儀・告別式では、火葬場に向かって出発する前に参列者に対して御礼の挨拶をすることが一般的です。

遺族ならびに親族を代表いたしまして、ご挨拶を申し上げます。

本日は、亡き父〇〇〇〇の葬儀・告別式にお集まりくださり、ありがとうございました。

生前、故人が賜りましたご厚誼につきましても、この場をお借りし厚く御礼申し上げます。

今後につきましては、故人の遺志を受け継ぎ、家族一同、手を取り合って頑張っていく所存でございます。皆様には、故人の生前同様のお付き合いのほど、お願い申し上げます。

これより故人は〇〇火葬場にて荼毘に伏されることとなります。

皆様にお見送りをいただき、故人も有り難く感じていることと存じます。

以上、簡単で恐縮でございますが、御礼のご挨拶とさせて頂きます。

本日は誠にありがとうございました。

【文例3】精進落とし開始時の挨拶

精進落としは、忌中払いや精進上げとも呼ばれる飲食の席です。葬儀にご参列いただいた僧侶や親族に対して、感謝とねぎらいの気持ちを込めて、喪主または施主が挨拶します。

喪主の〇〇〇〇と申します。

皆様ご多用中のところ、通夜式、そして葬儀・告別式と2日間に渡り、お付き合いくだいまして、ありがとうございました。

皆様の温かいお心遣いを賜り、こうして無事に母〇〇〇〇を見送ることができました。

心ばかりではございますが、お食事をご用意いたしました。故人を偲びながら、お召し上がりいただければと存じます。

皆様、誠にありがとうございました。

【文例4】精進落としの献杯時の挨拶

精進落とし開始時の挨拶に続いて、食事に手を着ける前に献杯をする慣習があります。

私は、故人の弟にあたる〇〇〇〇でございます。生前においては、兄が大変お世話になりました

この2日間、皆様とお話しするなかで、今まで私が知らなかった兄の姿や想いも知ることができ、あらためて兄の偉大さを感じました。

それでは、皆様、お手元にグラスのご用意をお願いいたします。私が献杯の発声をしましたら、皆様も献杯とご唱和いただきたいと思います。(グラスを掲げて)献杯。

ありがとうございました。

【文例5】精進落とし終了時の挨拶

葬儀の流れのなかでは、表立って挨拶をする最後の場面になるでしょう。

長時間に渡り最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

これにてお開きとさせていただきたいと存じます。

今後ともどうか変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

皆様に厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

弔辞も挨拶?誰がいつするのか

弔辞も挨拶?誰がいつするのか

弔事は、葬儀・告別式中に行われるケースが多数です。弔辞も広い意味では挨拶のひとつと言えるでしょう。それは、故人に対するお別れの挨拶が弔辞だからです。

一般的に喪主や施主といった遺族親族側の人ではなく、故人と親交の深かった人や社会的に要職に就いている人がすることが多いようです。なお、弔辞は必ず行われるというわけではありません。

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