訃報連絡のマナーや例文

「訃報連絡」という表現は微妙

訃報(ふほう)は、「人が亡くなったことの知らせ、または亡くなったことを知らせる」という意味です。連絡は、関係者に知らせるという意味があります。したがって、「訃報連絡」という表現には、訃報と連絡それぞれの意味合いも通ずる部分があるのが分かるでしょう。

訃報は公の場で使うこともある言葉です。場合によっては、自分だけでなく家の名や会社の威厳を損ねてしまうかもしれません。「訃報連絡」は「頭痛が痛い」の表現と同じように、共通の意味を含む言葉が連なっているので、使わないように気を付けておきましょう。訃報、この2文字だけで十分に伝えたいことを表しています。

訃報は誰に対してするのか

訃報を伝えるのは、取り急ぎ、亡くなられた人の家族、血縁の近い親族といった人々が対象です。そのほか、必要に応じて下記も訃報を伝える対象になります。

  • 亡くなられた人の勤め先
  • 亡くなられた人が所属していた趣味の集まり、地域活動団体など
  • 亡くなられた人が親しくしていた友人知人、お世話になった恩人
  • 自分の勤め先、友人知人、そのほか葬儀期間前後に自分が不在中の対応をお願いする人

必ずしも上記のすべてに訃報をしなければならないわけではありません。たとえば、家族葬を希望する場合には、まず家族と親族だけに伝え、葬儀後にその他関係者にも伝えるという形式をとることもあるでしょう。

訃報で伝える内容の例

連絡する相手との関係性も考慮しながら、必要な情報を伝えましょう。下記は、伝える基本的な情報です。

  1. 亡くなられた人の氏名(ふりがな)、亡くなられた時点の年齢、亡くなられた場所
  2. 訃報発信者(差出人)の氏名、亡くなられた人との関係、連絡先
  3. 葬儀の日程・会場、喪主の氏名

亡くなられた直後は、1および2のみを伝えることになるでしょう。葬儀社との打ち合わせ後に葬儀の日程および会場が決定済だとしても、火葬式や家族葬など希望する葬儀形式によって3は訃報の中で伝えないこともあります。

訃報にはどういう手段があるのか

下記は、代表的な訃報の手段です。

  1. 電話
  2. 対面して口頭
  3. メール、LINEなどのメッセージアプリ
  4. FAX
  5. はがき、手紙

スピード感が重視され、一般的に1.の電話が多用されています。2.対面して口頭で伝えるのが、もっとも丁寧とされますが、スピード感を持って各方面に伝えるのには適していません。

3. メール、LINEなどのメッセージアプリを送るのは、軽々しい、失礼だと捉えられることがあります。このため、家族や親交の深い親族、普段から気軽にコミュニケーションを取っている仲間といった人々のみに留めておくのが無難です。

電話を使っての訃報【文例】

下記に紹介するのは、病院で身内が亡くなられた直後に、近しい親族に電話する際の文例です。

お世話になっております。〇〇〇〇の妻、〇〇〇〇です。
先ほど夫の〇〇〇〇が亡くなりました。
亡くなった場所は、〇〇ホスピタルです。
これから葬儀社に来ていただき、自宅に搬送してもらいます。
葬儀については、そのあと打ち合わせをすることになると思います。
日程など、決まりましたら、またご連絡いたします。
なにかとお手間おかけするかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
突然のお電話で失礼いたしました。

メールやメッセージアプリの利用【文例】

下記は、葬儀の日程や会場についても伝えることを想定した文例です。

母〇〇〇〇につき、かねてより入院加療中のところ、令和〇年〇月〇日に死去いたしました。生前賜りましたご厚誼に深謝し、謹んでご通知申し上げます。

なお、通夜式、葬儀告別式は下記の日程で執り行います。

  1. 通夜式:〇月〇日(〇曜日)〇時~
  2. 葬儀告別式:〇月〇日(〇曜日)〇時~〇時
  3. 葬儀会場:〇〇ホール(住所 〇〇市〇〇 〇番地/電話 〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇)
  4. 喪主:〇〇〇〇(続柄〇〇)

(差出人名)〇〇〇〇

(連絡先)〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇

事後にする訃報とは

家族葬で内々に葬儀を執り行ったときに、事後報告として身内が亡くなったこと、葬儀を済ませたこと、生前のお付き合いに感謝する気持ち、などを記した挨拶状を送ることもあります。

喪中はがきの送付で事後報告をするケースも珍しくありません。年賀欠礼の文中にて、訃報を記載するケースです。

新聞に掲載する訃報とは

新聞掲載の訃報には「死亡記事」と「死亡広告」があります。死亡記事は、新聞社独自の判断で特定の人物に関する死亡や葬儀などの情報を掲載するものです。一方、死亡広告は、遺族や法人から訃報の掲載を新聞社に依頼するもので、掲載料金の支払いが必要になることが多数です。

最近は、新聞の購読者数が減少しているものの、地域的な慣習として死亡広告を掲載することが一般化しているところもあります。

訃報に関するマナーや注意点

亡くなられた人の名前や年齢、葬儀会場の名称や住所、葬儀の日時、喪主の名前、差出人の名前や連絡先は、伝える前に内容に間違いがないか充分に確認をしましょう。忌み言葉の使用を避け、正しく、分かりやすい言葉や文章でまとめることもマナーです。

会社の名を背負って訃報を出すケースもあるかもしれません。営業ばかりいそしまずに正しい日本語を使うのが賢明です。

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