無縁仏とは?その後の墓地は?何が起こり、どう対処すればよいか?

この記事では、多くの人にはあまり知られていないが非常に重要なテーマ、「無縁仏」について詳しく解説します。
無縁仏とは、簡単に言えば、遺体や遺骨が親族や知人による世話を受けられずに残された状態を指します。
本記事では、この無縁仏の定義、なぜ無縁仏が生じるのか、その主な理由を深く掘り下げ、無縁仏にならないための対策についても考察していきます。

無縁仏とは何か?

無縁仏とは何か

無縁仏とは、故人が親族や知人によって供養されず、独りで遺された故人、またそのお墓を指します。
高齢化社会においては、一人暮らしの高齢者が孤独死し、その遺骨が無縁となるケースが増えています。
核家族化や都市化が進む中で、お墓を継承する人がいなくなることも一因です。

無縁仏は、遺骨や遺体の適切な管理や供養が行われず、場合によっては公共の場所に放置されることもあります。
この状況は故人にとっても悲しく、社会全体としても看過できない問題です。
無縁仏を減らすためには、生前に自分の遺骨やお墓の管理を誰が行うかを計画することが重要であり、社会システムとして無縁仏を減らすための制度や仕組みを考える必要があります。
無縁仏の問題について知ることは、個人としても社会としても重要な一歩と言えるでしょう。

無縁仏になる主な理由

無縁仏が生まれる背景には、複数の要因が絡み合っています。
その中で最も一般的な理由をあげていいます。

孤独死(無縁死):
これは一人暮らしの高齢者や独居者が亡くなり、遺体や遺骨が誰にも引き取られないケースです。
現代社会では、家族や地域社会とのつながりが希薄化しているため、このような事例が増加しています。

※2010年のNHK調べでは年間3万2000人にものぼるという発表あり。

お墓の継承者の不在:
お墓を守る家族や親族がいなくなるケースです。
少子化の進行や家族構造の変化により、お墓を継承する人がいなくなることが増えてきています。

お墓の管理料の滞納:
お墓の維持には管理料が必要ですが、経済的な理由や意識の低下により支払いが行われないこともあります。
その結果、お墓が放置され、無縁仏の状態に陥ることがあります。

※管理者がいなくなったお墓は「無縁墓」と呼ばれることもあります。

お墓の所有者の不明:
古いお墓の場合、所有者や管理者が不明になることがあります。

※1999年3月に「墓埋法」が一部改正され、管理料が支払われないお墓は、そこに埋葬されている故人と管理者の氏名、本籍などを官報で告知され、お墓にはその旨を記した立て札などを立てれれます。1年経っても申し出る人がいない場合、無縁墓として処分できるという流れが明確になりました。
処分されたお墓は、埋葬されていた遺骨を合祀して整地され、別の家のお墓が建つようになります。

これらの理由により、故人やお墓が適切なケアを受けられずに放置されることになり、無縁仏となってしまいます。
無縁仏の問題は単に個人の問題にとどまらず、社会的な問題としても捉えられる必要がある課題です。

永代供養と無縁仏の違い

永代供養とは
永代供養は、故人の遺骨を寺院や霊園が一定期間、または永続的に管理し供養してくれる制度です。
これにより、遺骨を引き取る家族や縁者がいない場合や、後世にお墓の管理を継承する人がいない場合でも、故人が適切に供養され続けることが保証されます。
永代供養は、合葬墓に遺骨を納める形式が一般的で、これにより故人は他の多くの方と共に安らかに眠ることができます。

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両者の主な違い
永代供養と無縁仏の最大の違いは、故人の遺骨がどのように管理され、供養されるかという点です。
永代供養では、故人の遺骨が適切に管理され、定期的な供養が保証されます。
対して、無縁仏は故人に対する継続的なケアが欠け、適切な供養を受ける機会が失われる可能性が高くなります。
したがって、無縁仏を防ぐためには、生前に永代供養を検討し、遺骨の将来について計画を立てておくことが重要です。

無縁仏にならないための対策と費用相場

無縁仏にならないための対策と費用相場

無縁仏にならないためには、事前に自分や家族の将来を考え計画的に対策する事で防げます。
ここでは、無縁仏にならないために取るべき主な対策をご紹介します。

お墓の継承者を見つける

自分のお墓を継いでくれる人がいる場合、その人と事前に話し合い、お墓の継承についての合意を形成しましょう。
家族内で継承者がいない場合は、友人や親戚など、他の縁者に相談するのも一つの方法です。

墓じまい

お墓を継ぐ人がいない場合、墓じまいを検討することが有効です。
これは、お墓を解体し、遺骨を別の方法で供養することを意味します。
墓じまいをすることで、お墓の維持管理の負担がなくなり、無縁仏のリスクを避けることができます。
ただし墓じまいをする場合には、近親者に事前に相談して承諾を得ておくことは必須です。
[費用相場:20万~100万 (お墓の規模や立地、先祖の遺骨の数によって変動)]

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永代供養墓への納骨

これは自分や家族の遺骨を寺院や霊園に預け、永続的に供養してもらう方法です。
永代供養墓は、管理者不在のリスクを回避し、永続的な供養が保証されるため、無縁仏を防ぐ効果的な手段となります。
[費用相場:5万~30万 (1名当たりの永代供養墓への納骨費用)]

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合葬墓(がっそうぼ)への納骨

複数の故人の遺骨を一緒に埋葬する合葬墓も無縁仏を避ける選択肢の一つです。
合葬墓は、特定の継承者が必要なく、一定の期間、共同で供養されるため、個人単独のお墓を持つよりも管理の負担が少なくなります。
[費用目安:10万~30万]

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生前契約(自分の墓や供養に関する契約をする)

自分の死後の墓地や供養方法について、生前に具体的な計画を立て、契約しておくことも対策の一つです。
これにより、自分の意志に沿った供養が確実に行われることが保証されます。
自身で選んだお墓や供養方法を契約しておく場合、エンディングノートや遺言書などに記載し、契約内容などに関しては親族などに説明しておくことをお勧めします。

以上の対策を講じることで、無縁仏となるリスクを大幅に減らすことが可能です。
自身や家族の将来を見据え、早めの対策を心掛けましょう。

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