命日にやってはいけないことと心に留めるべきこと  お供え物選び

命日は、愛する故人を偲び、彼らの遺した足跡を称えるための大切な日です。
しかし、この厳粛な日には、避けるべき行動や適切な供養の方法が存在します。
本記事では、命日における適切な行動や避けるべきこと、さらに故人を偲ぶのにふさわしいお供え物について、初心者にもわかりやすく解説します。

命日とは?意味と重要性

命日とは?意味と重要性

命日は、故人が亡くなった日で、忌日(きじつ)とも呼ばれることもあります。
日本の文化では特に、「祥月命日」と「月命日」という二つのタイプの命日が存在します。
これらは故人を偲び、敬うためのものであり、適切なマナーと供養を通じて、故人の魂が安らかであることを祈ります。

祥月命日(しょうつきめいにち)

祥月命日は、故人が亡くなった月の同じ日に行われる年に一度の追悼の日で一般的に「命日」と呼ばれています。
例えば、故人が5月10日に亡くなった場合、翌年以降の5月10日が祥月命日になります。
この日は、一周忌、三回忌、七回忌などの年忌法要が執り行われ、故人の冥福を祈ります。
法要では、故人の遺族や親族が集まり、故人の生前の功績を称え、供養のための儀式を行います。

月命日(つきめいにち)

一方、月命日は故人が亡くなった日を指し、月忌(がっき)と呼ばれています。
例として、故人が5月10日に亡くなった場合、6月10日、7月10日と続く毎月10日(年に11回)が月命日になります。
月命日には、家族が故人のために簡単な供養や仏壇の前で手を合わせるなど、私的な追悼を行います。
これは故人を日常的に偲ぶためのものであり、家族だけの小規模な儀式が中心です。

命日の重要性

命日を迎えることで、生きている私たちは故人とのつながりを再確認し、故人が生前に遺した教えや愛を再び心に呼び起こすことができます。
また、命日を適切に過ごすことで、故人の魂が安心して眠ることができるとされています。
命日は単なる形式ではなく、故人への感謝と尊敬の気持ちを表現するための大切な機会とされています。

命日に行う一般的なこと

命日に行う一般的なこと

一年に一度の祥月命日や毎月訪れる月命日など、その形式は多岐にわたりますが、具体的な行動や儀式に厳格な規定はありません。
一般的に行われる活動には共通点があり、それらを紹介していきます。

祥月命日に行うこと

祥月命日は故人が亡くなった日と同じ日付の年に一度訪れる命日です。
この日には、故人の遺族や親しい友人が集まり、故人の魂の平安を願って様々な供養を行います。

法要の実施

祥月命日には、一周忌、三回忌、七回忌などの年忌法要が行われることが多く、これには僧侶が読経を行い、集まった人々が焼香をします。
法要は故人を偲び、その生涯を讃える重要な儀式であり、家族や親族だけでなく、地域社会や職場の人々が参加することもあります。

お墓参り

お墓参りは、故人の墓地を訪れて清掃を行い、花や食べ物などのお供え物を捧げます。
多くの家庭では、祥月命日にお墓を訪れることが一般的ですが、遠方に住んでいる場合などは、前後の日に訪れることもあります。

卒塔婆(そとうば)供養

卒塔婆供養は、故人のために特別に作られた木の板(卒塔婆)に、故人の戒名や命日などを記してお墓に立てる行事です。
この供養は、故人の霊が安らかになることを願って行われます。
事前にお寺へ依頼して卒塔婆を作成してもらいます。
卒塔婆の金額はお寺ごとに違い、1本3千円~1万円が相場です。

※卒塔婆を建てないお寺や宗派もあります。
※塔婆が増えスペースがない場合は、「焚き上げ」を行います。

月命日に行うこと

月命日は毎月訪れる命日で、祥月命日ほど大規模な儀式は行われませんが、故人を偲ぶための小規模な供養が家庭などで行われます。

簡単な供養

月命日には、仏壇にお花やお線香をあげることが多く、故人の写真の前で手を合わせる家庭もあります。
また、故人が好んでいた食べ物をお供えすることも一般的です。

仏壇・お墓の掃除

月命日には、故人の仏壇やお墓の掃除を行い、いつも清潔に保つことで故人への敬意を表します。
命日の過ごし方は家庭や地域の慣習によって異なる場合がありますが、共通するのはすべての行動が故人への深い敬愛と感謝の表現であるという点です。

命日にやってはいけないこと

命日にやってはいけないこと

命日に行われる様々な儀式や行動は、故人への尊敬と愛を表現するために重要ですが、一方で避けるべき行為もあります。
ここでは命日に適さない行為やマナーについて解説します。

食べ物のお供えに関する注意点

肉・魚・酒の供え物を避ける
仏教では、殺生を連想させる食べ物として肉や魚をお供えすることは避けられます。
また、酒も禁忌とされ避けられます。
仏教の教えに反すると考えられる食べ物は、供える前に故人の宗派や信仰について確認することが重要です。

生菓子のお供えを控える
生菓子は賞味期限が短く、保存が難しいため、お供えには不向きです。
また、供えた後の取り扱いが遺族にとって負担になる可能性があるため、長持ちするお菓子を選ぶのが無難です。

墓地での供え物の注意点

大きなお供え物や大量なお供え物を避ける
墓地では、食べきれないほどの大きなお供え物をすることは避けるべきです。
これは、食べ残しが発生し、墓地の管理に悪影響(腐敗し悪臭や害虫の発生や、野生動物の餌になり墓地が荒れてしまう)を及ぼす可能性があるためです。

お花のお供えの注意点

棘のある花や香りの強い花、鉢植えを避ける
バラなど棘のある花は、仏教で殺生を連想させるとされ、供花には不適切です。
また、香りが強すぎる花も敬遠される傾向にあります。
香りが強いと、祭壇の空間で香りが充満し、参列者にとって不快な環境を作り出す可能性があります。
また根付くという意味をもつ鉢植えのお花は、お供え物にふさわしくないとされています。

服装と香水の注意点

華美な服装や香りの強い香水を避ける
命日の法要に参加する際は、地味で控えめな服装を心がけましょう。
派手な色や装飾はふさわしくありません。
また、香りの強い香水は他の参列者に迷惑をかける可能性があるため、使用を控えるのがマナーです。

命日におすすめのお供え物

命日におすすめのお供え物

命日に故人を偲び、敬意を表すためのお供え物は、選び方にも心遣いが必要です。
以下に、命日におすすめのお供え物を紹介します。

旬の果物

旬の果物は、その時期に最も美味しいとされるもので、栄養価も高くなっています。
故人が生前好んでいた果物を選ぶと、故人への思いやりが感じられるでしょう。
傷みにくく、保存が容易な果物を選ぶことが重要です。
例えば、リンゴや梨のように硬く、丸い果物が好まれます。
これらは見た目にも美しく、お供えとして適しています。

賞味期限が長いお菓子

お供え物としてお菓子を選ぶ際は、賞味期限が長く、保存がしやすいものを選ぶことが望ましいです。
和菓子では羊羹やせんべい、洋菓子ではクッキーやマドレーヌが人気です。
これらはほとんどが個包装で、遺族や訪れる親族が多い家庭でも分けやすく、また残り物の心配が少ないため喜ばれます。

日持ちする花

命日の供花には、日持ちする花を選びましょう。
長持ちする花には菊やリンドウ、キンセンカなどがあります。
これらの花は、色彩が豊かでありながらも、控えめで落ち着いた雰囲気を持っているため、供花として適しています。
また、故人が好んでいた花を選ぶことも大切です。
フラワーアレンジメントを選ぶ際は、管理が簡単で、そのまま飾ることができる点も魅力です。

線香

線香は、お供え物の中でも非常に伝統的で、どの家庭でも受け入れやすい選択肢です。
香りが弱いものや無煙タイプの線香も市場に出ており、これらは特に小さいお仏壇や狭い空間に適しています。
線香は、故人への祈りを象徴し、使いやすさからも多くの家庭で好まれます。

命日に関するよくある質問

命日に関するよくある質問

Q.命日に贈るお供え物の相場はどれくらいですか?

A、
命日にお供えする品物の相場は、故人との関係や地域の慣習によって異なることが多いですが、一般的なガイドラインは存在します。
友人や遠縁の場合、3,000円から5,000円程度のお供え物が一般的です。
もし故人が直接の親族である場合、感謝や敬愛の気持ちを表すために、10,000円から30,000円の範囲で選ぶことが多いです。

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