無宗教葬儀は、故人の遺志に沿い、遺族の想いを大切にした葬儀方法です。既存の形式や慣習に縛られず、内容を自由にアレンジできるため、故人の人生や性格を反映したオリジナリティの高い葬儀を行えます。
しかし、通常の葬儀と比べて決まった流れやルールがない分、無宗教葬儀をどのように進めれば良いのか疑問や不安を感じる方も多いでしょう。
本記事では、無宗教葬儀のメリット・デメリットと葬儀の流れ、葬儀に必要な費用を徹底解説します。葬儀後の納骨・法要のマナーも併せて紹介するため、無宗教葬儀を検討・主催する際の参考にしてください。
無宗教葬儀とは、故人の人生や遺族の想いを尊重し、形式にとらわれずに行われる自由な葬儀です。一般的に「自由葬」とも呼ばれます。近年、日本人の葬儀に対する考え方が多様化しており、無宗教葬儀は選択肢の1つとして認識されつつあります。
日本では、多くの人が無宗教的な考え方を持っていますが、神仏の存在を否定するわけではなく、単に特定の宗教に深く帰依していないことを表す意味合いが強いです。
無宗教葬儀では、故人や遺族が宗教的な要素にこだわらず、故人の生き方や思い出を尊重し、家族や友人が心から故人を偲べる場を提供します。
また、無宗教葬儀では、僧侶の読経や焼香などの宗教的な儀式は一般的に含まれませんが、必要に応じてこれらの要素を取り入れられます。故人の意志や遺族の希望に応じて、柔軟に内容を調整できるのが最大の特徴です。
家族葬の形式を取り入れることも多く、親しい人たちだけで故人を静かに送ることができます。
無宗教葬儀は、故人の個性やご遺族の想いを自由に表現できる一方、注意すべき点もいくつか存在します。無宗教葬儀のメリットとデメリットをそれぞれ詳しく解説します。
無宗教葬儀のメリットは、葬儀内容の自由度が高い点です。伝統的な形式に捉われず、故人の人生や遺族の希望を反映させたこだわりの葬儀を行いたい方は、無宗教葬儀を検討する価値があるでしょう。
無宗教葬儀の主なメリットは、以下の通りです。
経済的な負担を減らしやすい:
僧侶や神父などを招かない無宗教葬儀の場合、お布施や戒名料などの費用を削減できます。
葬儀内容の自由度が高い:
伝統的な形式や慣習に従う必要がなく、故人の趣味や人生を反映させた葬儀を企画できます。
故人が愛した音楽の演奏や趣味・業績に関連する展示、家族・友人によるスピーチなど、オリジナリティの高い演出を取り入れたい場合におすすめです。
幅広い宗教・宗派の方が参列できる:
無宗教葬儀には、故人と異なる信仰を持つ方や無信仰の方でも問題なく参加できます。招待したい親類や友人・知人に宗教的な事情がある場合は、無宗教葬儀を検討すると良いでしょう。
無宗教葬儀には多くのメリットがある一方、注意すべきデメリットもあります。後悔やトラブルを防ぐためにも、事前にデメリットを理解したうえで、無宗教葬儀の実施を検討しましょう。
関係者の理解を得にくい場合がある:
無宗教葬儀は、伝統的な葬儀形式に比べると一般的ではないため、親族や友人からの理解を得にくいことがあります。特に、関係者の中に伝統的な儀式や形式を重んじる方がいる場合は、事前に無宗教葬儀の意図や形式を説明し、理解を求める必要があるでしょう。
準備に手間がかかりやすい:
無宗教葬儀には決まった形式がないため、葬儀内容をゼロから考えなくてはなりません。葬儀の内容や流れを決め、必要な品物を手配するには、通常の葬儀より多くの手間や時間がかかることも珍しくありません。
菩提寺との関係が悪化する場合がある:
菩提寺のある家系の方が無宗教葬儀を行うと、納骨や法要を断られるなど、関係悪化の原因になりかねません。無宗教葬儀を検討する際は、不義理と捉えられてしまわないよう、事前に菩提寺と相談し、理解を求めましょう。
供養・追悼の機会が不足しやすい:
無宗教葬儀では、慣習に従う必要がないため、法要をはじめとする供養・追悼の機会が少なくなりがちです。無宗教葬儀を行った遺族の方は、故人を記憶にとどめ、偲ぶために独自の方法や機会を考える必要があるでしょう。
宗教的な儀礼や慣習に捉われず、故人の個性や遺族の願いを反映した形で行われる無宗教葬儀には、決まった流れが存在しません。しかし、一般的には通常の葬儀の流れを踏襲しつつ、故人らしさを表現する要素を組み入れることが多いです。
以下では、無宗教葬儀の一般的な流れの例を紹介します。
1.参列者の入場:
参列者が葬儀会場に入場します。故人の好きだった音楽をBGMとして流すことも可能です。
2.開式の言葉:
司会者が葬儀の開始を宣言し、故人の人生を振り返る簡単な挨拶を行います。
3.黙祷:
読経やお祈りの代わりとして、黙祷を捧げます。
4.献奏:
故人の好きだった音楽を演奏し、故人の生涯を偲びます。献奏方法は、生演奏やCDの再生が一般的です。
5.経歴紹介:
故人の経歴や生前のエピソードを紹介し、故人との思い出を共有します。
6.スライドショーまたはビデオ上映:
故人の写真や動画を使って、故人の生涯を振り返ります。
7.弔電の紹介:
届いた弔電やメッセージを読み上げ、故人を偲ぶ人々の思いを伝えます。
8.感謝の言葉:
遺族代表が参列者に対して感謝の言葉を述べます。
9.献花:
焼香の代わりとして、参列者が順番に花を供えます。
10.お別れの時間:
故人と最後のお別れをします。心の中で、故人に対してメッセージを伝えましょう。
11.閉式の言葉:
司会者が葬儀の終了を宣言し、閉会の挨拶を行います。
12.出棺:
故人の遺体を葬儀会場から火葬場へと移動させます。
13.会食:
火葬後、参列者が集まって故人を偲ぶ会食を行います。
なお、上記の流れはあくまでも一例です。無宗教葬儀では、故人の遺志や遺族の希望に応じて、葬儀の流れを自由にアレンジしても問題ありません。重要なのは、故人の人生を尊重したお別れの時間を作ることです。
無宗教葬儀にかかる費用は葬儀内容によって大きく異なるため、決まった相場はありません。僧侶や神父などの宗教者を招かないため、お布施や戒名料などの費用が発生しない一方、葬儀内容によっては、演出にまとまった追加費用がかかることもあります。
無宗教葬儀にかかる費用の例は、以下の通りです。
凝った演出を企画すると費用も高くなりやすいため、無宗教葬儀を検討する際は、必要なサービスと費用を事前にリサーチし、適切に予算を管理しましょう。
宗教葬儀を行った後の供養に関しては、伝統的な宗教葬儀と異なり、様々な選択肢があります。無宗教葬儀の場合、特定の宗教的な儀式に縛られることなく、故人の遺志や遺族の希望に基づいた供養方法を選べます。
永代供養は、寺院や霊園などが遺骨を管理し、代わりに供養を行う方法です。宗旨・宗派にかかわらず利用でき、長期的なお墓の管理や後継者の心配が不要です。
永代供養は経済的な負担の軽減と管理の便利さから、近年では多くの人に選ばれています。特に、お墓の維持や管理に負担を感じる遺族に向いています。
海洋散骨は、故人の遺骨をパウダー状に加工し、海に散布する方法です。自然への還元を望む人に適しており、宗教的な制約から自由な形で故人を偲ぶことができます。
費用面でも経済的で、維持管理の手間もかかりません。故人が海や自然を愛していた場合、故人の意志を尊重する方法として選ばれることが多いです。
宗派にかかわらず利用できる墓地や霊園も存在します。無宗教葬儀の後、納骨する場所として宗教を問わない墓地を選ぶことで、宗教的な制約に捉われることなく故人を供養できます。
公営の墓地は、宗教や宗派を問わないため、無宗教葬儀を行った方でも利用可能です。予算を抑えたい遺族にとっても適した選択肢となり、多くの自治体で運営されています。
無宗教葬儀の実施後、初七日・四十九日などの法要の実施有無やタイミングは自由です。ただし、無宗教葬儀でも納骨や散骨は行う必要があるため、四十九日の代わりとして、葬儀から遠くない日程で納骨を兼ねた食事会などを行うこともあります。
無宗教葬儀に参列する際、宗教的な儀式に縛られることはありませんが、基本的なマナーは守ることが重要です。無宗教葬儀に参列する際の主要なマナーを紹介します。
服装のマナー:
無宗教葬儀では、略式の喪服を着用するのが一般的です。男性は黒のスーツ、白のワイシャツ、黒のネクタイ、ベルト、靴、靴下を着用します。女性は黒のワンピースやアンサンブル、黒の靴とストッキングを着用します。
しかし、「平服」と指定された場合は、ダークカラーのスーツや地味な色の服装を選ぶと良いでしょう。
香典のマナー:
香典は、遺族が辞退していない限り、一般的な葬儀と同様に準備します。一般的な不祝儀袋に入れ、「御霊前」や「御花料」など、宗教に関係のない表記を用います。香典の金額は葬儀の規模や自身の関係性を考慮して決めます。
献花のマナー:
無宗教葬儀では、焼香の代わりに献花を行うことが一般的です。献花時は、故人の遺影に向かって一礼し、祭壇に花を置きます。花を置いた後、改めて故人に黙祷を捧げます。
無宗教葬儀に参列する際は、故人や遺族への敬意を忘れずに、上記のマナーを遵守することが大切です。無宗教葬儀は、故人の個性や遺族の希望に沿った形で行われるため、葬儀の事前情報や遺族の指示に注意をしましょう。
無宗教葬儀を希望する方や、こだわりの葬儀を実現したい方は、さがみ典礼の「一日葬」をご検討ください。さがみ典礼の一日葬は、通夜式を省き、告別式のみを1日で行うプランです。
多彩なオプションを組み合わせれば、メモリアルコーナーの設置や故人の好んだ料理を含むコース料理の提供など、こだわりの詰まったオリジナルの葬儀が可能です。
葬儀の手配が初めての場合でも、高い専門性を持つ葬儀のプロが、お客様の要望に細やかに対応します。埼玉県で大切な人の葬儀をお考えの際は、さがみ典礼にお気軽にご相談ください。
無宗教葬儀は、葬儀内容の自由度が高く、お布施や戒名料などの費用も抑えられる葬儀方法です。一方、決まった形式がない分準備に手間がかかりやすく、実施には菩提寺や親族、友人などの理解を得ることが大切です。
無宗教葬儀に興味がある方は、葬儀の流れや葬儀後の供養方法なども踏まえて、実施を検討しましょう。また、埼玉県でこだわりの葬儀を行いたい方は、さがみ典礼にお気軽にご相談ください。
A:
基本的な持ち物は、一般的な葬儀に持参するものと同じで問題ありません。無宗教葬儀は焼香を行わないケースが多いため、数珠が不要な場合もあります。
A:
無宗教葬儀では、読経の有無は自由です。故人や喪主が読経を希望する場合は、葬儀会社に確認し、読経を行うと良いでしょう。
また、戒名は原則として不要です。ただし、戒名がないと寺院での供養や納骨を断られる場合があるため、戒名の有無は供養・納骨の方法を踏まえて検討する必要があります。
A:
無宗教葬儀は自由度が高く、従来の宗教的な要素を完全に省くか、一部に取り入れることも可能です。
例えば、
などがあげられます。
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