お墓の継承者がいない場合や、家族構成の変化により、墓じまいを考える方が増えています。
「墓じまいを考えているけれど、どれくらいの費用がかかるのだろう?」
「故人を敬う方法として最適な選択は何か?」
これらは、多くの人が墓じまいを検討する際に直面する疑問です。
墓じまいに必要な総額費用は、改葬を含めて100~300万円とも言われており、決して小さな額ではありません。
本記事では、墓じまいに関する補助金の存在や申請の流れ、費用負担の軽減策を紹介していきます。
墓じまい補助金とは、地方公共団体や自治体によって提供される支援金です。墓じまい補助金制度は、墓石の解体や撤去、改葬に必要な費用の一部を補助することを目的としています。
墓じまいは、故人を適切に供養するため、また、墓地の管理を適正に保つために必要なプロセスです。
しかし、多くの方が直面するのが、その際に発生する費用の問題です。特に、墓地の継承者が不在で維持が難しいお墓の撤去に関しては、墓じまい補助金制度が大きな支えとなります。
多くのケースでは、墓じまいにかかる費用を先に支払い、その後に補助金を受け取る形になります。初めに全額分の費用を用意する必要があるため、事前の計画が重要です。
補助金制度の主な目的は、放置された墓石の撤去を促し、無縁仏の問題に対処することです。補助の範囲には、墓石の撤去費用、遺骨の移動や改葬、さらには墓地の整備費用などが含まれることが多いです。
ただし、補助金の額や補助率、返済の有無は自治体によって異なるため、具体的な内容は各自治体のルールに則って申請する必要があります。
この補助金制度を理解し、適切に活用することで、墓じまいの負担を軽減し、故人に対する敬意ある供養を行うことが可能になります。
墓じまい補助金・助成金の活用には、墓地のある自治体への申請が必要です。詳細は自治体によって異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。
①自治体で補助金・助成金制度の有無を確認する
②申請に必要な書類を準備する
③自治体に必要書類を提出する
④補助金・助成金を受け取る
各手順の詳しい内容を解説します。
まず、墓地のある自治体で墓じまい補助金・助成金の制度の有無を確認します。
制度の確認方法には、自治体のウェブサイトで確認する方法のほか、自治体の担当窓口や霊園管理事務所に問い合わせる方法が挙げられます。
なお、墓じまい補助金・助成金制度は、対象や条件が定められているため、制度の存在が確認できた場合は、条件や申請方法も併せて確認しましょう。
墓じまい補助金・助成金の申請には、申請書に加え、墓石の撤去費用を証明する書類が必要です。
例えば、群馬県太田市の「八王子山公園墓地墓石撤去費用助成金」を申請する際には、以下の書類を準備します※。
申請書は、自治体のウェブサイトや窓口で入手できます。申請する方の氏名や住所、墓地使用者の情報など、必要な項目を記入しましょう。
なお、上記は一例です。自治体によっては、上記以外にも、墓じまい工事に関する見積書や、身分証明書のコピーなどの提出が求められる場合があります。必ず事前に申請先の自治体のウェブサイトで確認するか、窓口で問い合わせるようにしましょう。
※出典:「八王子山公園墓地墓石撤去費用助成金概要」
墓じまいに関する工事が完了し、申請書や領収書などの必要書類がそろったら、自治体の窓口に提出しましょう。提出先は、自治体により指定の窓口で受け付けているほか、郵送を認めている場合もあります。
提出後、自治体では提出書類の確認や審査が行われ、補助金・助成金の採択・不採択が決定されます。
自治体で申請が承認されれば、事前に提出した金融機関の口座に補助金が振り込まれます。
補助金の金額は墓石の撤去にかかった費用などに基づいて支払われますが、多くの場合、上限額が設定されています。
補助金制度のある自治体の例を紹介していきます。
お墓のある場所を管轄する自治体の助成制度の実施などは、広告・コンサルティング事業を行う株式会社Blitzが提供する検索サービス「スマート補助金」で調べてみても良いでしょう。
※参考:株式会社Blitzが提供する検索サービス「スマート補助金」
墓地公園の通常墓所(1区画3.0平方メートル)または小型墓所(1区画1.5平方メートル)の使用許可を受けている方(以下、使用者)が対象の墓所返還者等支援事業です。
墓石撤去費等助成制度:
返還する墓所の墓石の撤去など、返還区画の原状回復に要した費用を返還後に市から補助金(補助金額の上限15万円)を交付します。詳細は、浦安市公式サイトをご確認ください。
現在、市川市霊園一般墓地の使用許可を受けている方で、生活事情により墓地管理が困難になった方や、後継ぎの方がおらず墓地の無縁化の不安がある方が対象となる補助金です。
使用許可後、3年以内に未使用(更地)で墓地を返還した場合、納付した墓地使用料の2分の1、それ以外の場合は、納付した墓地使用料の4分の1が返還されます。
詳細は、市川市公式サイトをご確認ください。
※引用元:「市川市霊園一般墓地返還促進事業 | 市川市公式Webサイト」
太田市の八王子山公園墓地の無縁墓地対策として、墓地返還に際し墓石撤去に伴う費用を助成する制度です。
祭祀費用を除く墓石撤去に係る費用として支払った額の総額または20万円のいずれか低い方の額が支払われる制度です。
詳細は、太田市ホームページをご確認ください。
※引用元:「八王子山公園墓地 – 太田市ホームページ(花と緑の課)」
都立霊園 施設変更制度(東京都):
東京都立霊園の使用者で、お墓の承継者(継ぐ人)がいない方を対象とした制度で、使用中の墓所を返還して遺骨を合葬埋蔵施設に埋蔵(改葬)ができます。
東京都が遺骨をお守りしていく制度です。
※引用元:「施設変更制度のご案内について」
他の自治体の制度:
兵庫県:宝塚市営墓地 西山霊園・長尾山霊園
・永代使用料の還付制度(令和6年1月以降に使用区画を返還される場合は、永代使用料の還付がなくなることとなりました)
大阪府:岸和田市墓苑
・囲障のみ撤去免除制度・泉大津市公園墓地
・永代使用料の還付制度
岡山県:玉野市霊園
・既納使用料の還付制度
墓じまいは個人的な問題に思えるかもしれませんが、実は大きな社会問題にも関連しています。主な問題は「無縁仏」、つまり管理されていない「無縁墓」の存在です。
管理されないお墓は、時間の経過とともに荒れ、霊園全体の維持管理に影響を及ぼします。
霊園の景観が損なわれるだけでなく、墓地の維持費も増大します。
また、墓じまいの補助は、地域コミュニティの維持にも寄与します。故人を適切に供養し、霊園や墓地の良好な環境を維持して、地域社会の健全な発展にもつながるためです。
このように、墓じまいに対する補助金・助成金制度は、個人の経済的負担を軽減するだけでなく、社会的な問題の解決にも一役買っています。無縁仏や無縁墓の問題に対処し、霊園や墓地の良好な管理を促進するために、自治体が支援策を設けています。
お墓のある自治体で、補助金・助成金の制度が無い、または利用できない可能性もあります。補助金・助成金以外で費用負担を軽減する方法をご紹介します。
墓じまいの後、遺骨の再供養方法を選ぶ際、個別墓以外の選択肢を検討することも、費用を抑える1つの方法です。
「樹木葬」、「納骨堂」、または「永代供養墓」など、費用が比較的安い供養方法を選びましょう。中でも合祀型の永代供養墓や海洋散骨は、費用を大きく削減できる選択肢となり得ます。
墓石撤去工事に関しては、複数の石材店から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
ただし、極端に安い見積もりを提示する業者には注意が必要です。不法投棄や予期せぬ追加料金の発生リスクがあるため、適切なコストと信頼性のある業者選びが大切です。
散骨は自然に遺骨を還す手段であり、比較的コストが低い供養方法です。
一方、手元供養は遺骨を自宅に保管する方法で、墓地の維持費用を省略できます。
ただし、散骨や手元供養には法的な制約や文化的な配慮が必要なため、詳細な調査と家族間の話し合いが求められます。
これらの方法を活用して、補助金や助成金が利用できない場合でも、墓じまいの費用を大幅に削減できます。
さがみ典礼は、埼玉県内で60年以上の実績を持ち、多くの自社式場を有する葬儀社です。葬儀後のアフターサービスとして、埼玉県内の霊園や寺院墓地、永代供養墓などの案内を行っており、専用霊園も運営しています。
さがみ典礼には一級葬祭ディレクターが多数在籍しており、高い専門性と豊富な経験を活かして、葬儀に関するサポートを提供します。
墓じまいやその後の改葬先など、ご供養全般でお悩みの方は、お気軽にさがみ典礼にご相談ください。
本記事では、「墓じまい」に伴う費用的な側面、特に補助金や助成金の活用方法と、それ以外の費用削減策を解説しました。要点は以下の通りです。
補助金・助成金の活用:
補助金・助成金以外の費用削減策:
墓じまいの計画と実行:
補助金制度やその他の費用削減策を上手に活用し、故人を尊重しつつ経済的な負担を軽減する方法を見つけてください。
墓じまい以外にも、ご供養全般で悩みや疑問のある方は、さがみ典礼にご相談ください。
お電話での無料資料請求・ご相談は
お電話での無料資料請求・ご相談は
さがみ典礼の葬儀場を探す
さがみ典礼の葬儀プラン
さがみ典礼のお客様の声
コラム
さがみ典礼のご紹介