ご遺体安置とは?:病院からのながれと、自宅と安置施設の比較

人が亡くなった後、お葬式や火葬までの間、ご遺体は適切に安置される必要があります。
亡くなってからの遺体の安置にはいくつかの選択肢があります。

  • ご遺体を自宅に搬送する。
  • 葬儀社や斎場の安置室に安置する。
  • 専用の冷蔵庫を利用する。

などの方法などが考えられますが、多くの人が病院で亡くなる現代では、遺族は病院の霊安室に遺体を安置できる時間が限られているため、迅速な安置場所の決定が求められます。
本記事では、ご遺体の安置に至る流れ、さまざまな安置場所の特徴、費用の目安、そして自宅安置時のお供えや安置期間について、初心者でも理解しやすいように解説します。

ご遺体の安置とは?

ご遺体の安置とは?

ご遺体の安置とは、故人が亡くなった後から葬儀や火葬が行われるまでの間、遺体を保管することを指します。
遺体安置は、故人が亡くなった場所やその後の処置によって異なります。
病院や介護施設で亡くなった場合、故人は通常、施設内の霊安室に一時的に運ばれます。
霊安室は遺体を一時的に保管する場所で、利用可能時間は通常2~3時間程度です。

遺体の最終的な安置場所は、自宅、葬儀社の安置室、民間の安置施設などがあります。
自宅での安置は、故人が自宅で亡くなった場合や、遺族が故人を身近に感じたいと願う場合に選ばれます。
一方、葬儀社や斎場の安置室は、専門的な設備が整っており、長期間の安置も可能です。

遺体を安置するには、故人の死亡診断書の取得、遺体搬送の手配、安置場所の選定など、さまざまな手続きが必要です。
自宅での安置は感情的な安らぎをもたらす反面、適切な温度管理や衛生面の維持が課題となります。
葬儀社の安置室では、これらの点が専門的に管理されますが、費用や安置期間については事前に確認が必要です。
日本の法律では、死亡診断を受けてから24時間は火葬することが禁止されています。
そのため、自宅に安置する場合を除いては、必ず安置室を利用することになります。

ご遺体安置室の種類(選択肢)について

ご遺体安置室の種類(選択肢)について

ご遺体の安置の種類には主に「自宅」「葬儀社や斎場の安置室」「民間業者の安置所」があります。
それぞれにメリットと注意点があるため、事前に適切な選択をするための理解が必要です。

自宅での安置

自宅での安置は、故人が亡くなった場所が自宅である場合や、故人や遺族の希望により選ばれます。
自宅での安置のメリットは、故人と遺族がプライベートな空間でゆっくりと時間を過ごせる点にあります。
しかし、遺体の保全にはドライアイスの使用や適切な室温管理が必要で、これらの準備や管理は葬儀社に相談することをお勧めします。
また、自宅の住宅事情や、マンションやアパートの場合、エレベーターなどの搬入ルートの確保が課題になることもあります。

葬儀社や斎場の安置室

葬儀社や斎場(式場)の安置室は、専門的な設備と管理のもとで遺体を安置することができます。
こちらは遺体の適切な保全と衛生管理が行われ、遺族の負担を軽減できる点がメリットです。
一部の施設では、遺族が宿泊できる設備を備えており、故人との最後の時間を一緒に過ごすことが可能です。
ただし、安置室によっては面会時間に制限があることや、費用が発生することがデメリットです。

民間業者の安置所

民間の安置施設は、自宅や葬儀社の安置室が利用できない場合の代替として利用されます。
こちらの施設は遺体の保全と管理に特化しており、面会の制限が少ないことが特徴です。
遺体の搬送距離が長い場合や、施設が遠方にある場合は費用が増加する可能性がある点に注意が必要です。

どの安置方法を選択するにしても、遺族の状況や故人の意向、費用や施設の利用条件などを考慮して決定することが大切です。
また、安置方法によっては事前の用意や手配が必要な場合もあるため、可能な限り事前に情報を収集し、適切な計画を立てることをお勧めします。

ご遺体安置にかかる費用の相場について

ご遺体安置にかかる費用の相場について

ご遺体の安置にかかる費用(金額)は、安置場所やお預かり期間にともなう必要なサービスによって異なります。
自宅、葬儀社や斎場の安置室、民間業者の安置所での安置にかかる費用の相場について紹介します。

自宅で安置する場合の費用相場

自宅で遺体を安置する場合、費用の相場は約2万円~10万円程度です。
主な費用には、以下の項目も含まれます。

  • ドライアイス費用(1日約1~2万円)
  • お供え物(約1~3万円程度)
  • 移動費(10kmあたり約2万円)

自宅での安置は、施設使用料が発生しないため、他の方法と比べて費用を抑えることが可能です。

葬儀社や斎場の安置室利用

葬儀社や斎場の安置室を利用する場合、費用の相場は約3万円~15万円程度です。
安置室の使用料は1日あたり約5千円~3万円が一般的で、公営施設では初日無料でその後は2~3千円程度と比較的安価なことが多いです。
ただし、腐敗を防ぐためのドライアイスの費用が1日あたり約1~2万円かかることもあるので、事前に確認が必要です。
遺族の付き添いや宿泊施設の利用がある場合、追加料金が発生することもあります。

民間業者の安置所利用

民間業者の安置所を利用する場合の費用相場は約3万円~10万円です。
施設使用料は1日あたり約1万円が目安で、ドライアイスの費用や付き添い・面会費用が追加されることがあります。
搬送費用も距離に応じて加算されるため、特に長距離の場合は高額になる可能性があります。

これらの費用はあくまで目安であり、遺体の安置場所、利用するサービスの内容、地域などによって変動することがあります。
予算や遺族の状況を考慮しながら、最適な安置方法を選択することが重要です。
また、葬儀社や斎場によっては安置費用が葬儀プランに含まれている場合もあるため、具体的なサービス内容と費用については、葬儀屋に直接確認することをお勧めします。

ご遺体を安置する期間について

ご遺体を安置する期間について

ご遺体を安置する期間は、葬儀の準備や火葬場の状況によって異なります。
一般的に、遺体の安置期間は2〜3日が多いですが、これはあくまで目安となります。

最低安置期間

日本の法律では、死亡確認後24時間以内の火葬は禁止されているため、最低24時間は遺体を安置する必要があります。
これは、過去に仮死状態が見落とされた事例があるため、安全を確保する措置です。

平均安置期間

遺体の安置は通常、2〜3日間程度行われます。
しかし、火葬場の予約状況や休日(特に友引や正月など)によっては、この期間が延長されることがあります。

安置期間の延長とその理由:
葬儀場や火葬場の予約状況による待ち時間、または遠方からの参列者の都合などにより、安置期間が延長されるケースもあります。
また、民間の火葬場では正月休みなど特別な休日を設けている場合があるため、その影響で安置期間が長くなることがあります。
※基本的に火葬場のお休みは友引と元日。

費用への影響

安置期間が延長されると、それに伴いドライアイス代や安置施設の使用料などの費用が日数分増加することがあります。
特に自宅での安置の場合は、ドライアイスを定期的に補充する必要があり、その費用も加算されます。

遺体安置期間は、葬儀の準備や火葬場のスケジュール、法的規制、そして遺族の希望によって左右されます。そのため、葬儀の計画を立てる際には、これらの要因を考慮して、適切な安置期間を見積もることが重要です。また、安置期間による費用の変動にも注意し、予算内で適切な安置方法を選択することが望ましいでしょう。

亡くなってから安置までに行うこと

亡くなってから安置までに行うこと

亡くなった後、遺体を安置するまでの間に行うことは、遺体の尊厳を保ち、故人を大切に扱うために非常に重要です。
以下に、その主な手順を紹介します。

末期の水(まつごのみず)

死亡が確認された後、まず行うのが「末期の水」です。
これは故人の口に水を含ませる儀式で、故人が次の世界で苦しまないようにという願いを込めて行われます。
この儀式は家族や近親者が行い、仏教の習慣ですが、他の宗教でも行われることがあります。

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清拭(せいしき)と湯灌(ゆかん)

次に、遺体の清拭が行われます。
これはアルコールを含ませたガーゼで遺体の露出部分を拭くことを意味します。
また、故人を清めるための湯灌も行われます。
遺体を洗浄し、清潔な状態を保つための儀式です。

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着替え

清拭と湯灌の後、故人は新しい衣装に着替えさせられます。
通常は白い浴衣(死に装束)を使用しますが、近年では故人の好きだった服を選ぶことも増えています。

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死化粧

最後に、故人の顔に死化粧を施します。
これは生前の姿に近づけ、葬儀に参列する人々に安らかな顔を見せるために行われます。
女性には薄化粧が施され、男性は眉毛を整えるなどのケアが行われます。

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エンバーミング

希望があればエンバーミング処置を行うことも可能です。
これは遺体衛生保全処置で、故人の身体を綺麗に保つとともに感染症のリスクを低減します。
闘病によるやつれや事故による遺体の損傷なども綺麗に修復することができるのも特徴です。

これらの儀式は故人への最後の敬意として、また遺族にとって大切な故人との最後の時間を尊重するために行われます。
遺体が安置されるまでのこれらの儀式は、遺族が参加することも可能ですが、専門の葬儀社や職員が担うことが一般的です。

宗教ごとのご遺体安置方法の違い

宗教ごとのご遺体安置方法の違い

遺体の安置方法は、宗教や宗派、地域によって異なります。
仏式、キリスト式、神式での安置方法について紹介していきます。
故人が生前信仰していた宗教に基づいて適切に遺体を安置することは、故人への敬意を示すとともに、遺族にとっても重要な意義を持ちます。

仏式のご遺体安置

仏式では、故人の遺体は通常、北枕または西枕に安置されます。
枕は用いず、遺体は薄い敷布団に薄い掛け布団を上下逆にしてかけます。
遺体の顔には白い布をかけ、胸元で手を合わせ数珠をかけます。
魔除けのために刃物を布団の上に置くことがあります。
枕元には香炉、ろうそく、鈴、花立、水、一膳飯などを供えます。
この枕飾りは、地域や宗派によって異なる場合があるので、確認が必要です。

キリスト式のご遺体安置

キリスト式では、遺体の枕の向きに特に決まりはありませんが、多くは北枕に安置されます。
神父や牧師が到着した後、祈りを捧げた後に遺体を安置します。
枕飾りの代わりに、白い布をかけたテーブルの上に十字架、ろうそく、聖書、生花を置きます。
キリスト式では生花が使用されることが一般的です。

神式のご遺体安置

神式においても、遺体は西枕か東枕に安置されます。
仏式と似ていますが、数珠は用いません。
遺体の枕元には榊、お水、お塩、洗米などを供えます。
この際、枕飾りの内容は地域や神社によって異なる場合があります。

これらの安置方法は、宗教や宗派の教えに従って行われます。
遺族は故人の信仰に沿った方法で安置を行いましょう。
また、病院で亡くなった場合、長時間の安置が難しいため、事前に安置場所を決めておくことが推奨されます。
安置方法について不安があれば、葬儀社や専門家に相談しましょう。

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